カナダ首相、駐中国大使を解任 ファーウェイ巡り発言
【ニューヨーク=高橋そら】カナダのトルドー首相は26日、同国のジョン・マッカラム駐中国大使が同日付で辞任したと発表した。同氏は昨年12月に逮捕された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を巡り、米側への身柄引き渡しが「良好な結果に結び付かない可能性がある」と発言していた。
トルドー首相は26日の声明で「マッカラム氏に駐中大使の役職を辞するよう要請し、受諾した」と語った。辞任の理由は明らかにしていないが、マッカラム氏が孟氏の米側への引き渡しに否定的な発言をしたことを受けた措置とみられる。米国は近くカナダに対して正式に身柄引き渡しを要請する方針で、関係を悪化させたくないカナダ側から米国への配慮が働いた可能性がある。
マッカラム氏は22日に中国語メディアとの会合で孟氏の逮捕にはトランプ米大統領の政治的な意向が反映されていると指摘。逮捕容疑であるイラン制裁違反に関して「カナダは(米国が求める)イラン制裁措置に署名していない」とし、引き渡しが行われない可能性を示唆していた。
マッカラム氏は国防相や市民権・移民相といった内閣のポストを歴任し、2017年から駐中大使に就いていた。