アマゾン時価総額、一時世界首位に アップルを逆転
マイクロソフトと「3社争い」に
【ニューヨーク=宮本岳則】世界の投資家から最も愛される企業はどこか――。株式時価総額の世界首位の座を巡り、米IT(情報技術)3社の争いが激しくなってきた。3日の米国株式市場でアマゾン・ドット・コム株が急伸。アップルとマイクロソフトを抜き、初めて首位に立つ場面があった。年末商戦で好調なスタートを切り、市場の再評価につながっている。
3日の米株市場でアマゾン株が一時、前週末比5.2%高まで上昇。時価総額は8666億ドル(約95兆円)を超えた。米メディアによるとアップルが同2%高で足踏みしている間に、アマゾンが一時首位に立った。
取引終了にかけてアップル株が上げ幅を拡大し、最後はアマゾンを抜き返した。3日終値ベースの時価総額首位はアップルで8770億ドル。2位にはアマゾン(同8666億ドル)、3位にはマイクロソフト(同8604億ドル)が入った。11月末にはマイクロソフトの時価総額がアップルを抜くなど3社の攻防が激しい。
アマゾンの7~9月期決算は純利益が過去最高を更新した。クラウドサービスなど利益率の高いビジネスが好調だ。11月には調整する場面もあったが、年末商戦が好調と伝わり、投資家の見直し買いが入っている。
三つどもえを招いたのは、アップル株の失速によるところも大きい。長らく時価総額首位を維持してきたが、11月以降、主力の「iPhone(アイフォーン)」の販売減速の観測が伝わり、株価は直近高値から約2割下げた。米中貿易摩擦の影響も受けやすく、市場には様子見ムードも残る。