クルーズ船で入国後失踪、なぜ続発? 3つのポイント
クルーズ船での訪日客がビザなしで入国後に失踪するケースが2015年以降、171人に上ることが分かりました。政府は20年に訪日クルーズ客を500万人に増やす目標を掲げていますが、15年に導入した「特例」制度が悪用されています。背景をまとめました。

(1)訪日外国人は増加続く
18年1~6月に観光などを目的に一時的に上陸を認められた外国人は115万人で、12%増。中国や台湾、フィリピンなどからクルーズ船で寄港する観光客が増えています。
(2)クルーズ客500万人目標
政府は16年に20年までに訪日クルーズ客を500万人に増やすことを目標に掲げました。海上保安庁も寄港地の支援に取り組んでいます。
(3)不法入国に悪用、異変も
出航までに戻ることなどを条件にビザなしで入国できる「船舶観光上陸許可」制度を15年に導入しましたが、不法入国のリスクも。中国―九州航路が人気でしたが過当競争で撤退の動きも出るなど、変化の兆しもあります。