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個人情報流出「慰謝料生じず」 ベネッセ事件で東京地裁、賠償請求退ける

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2014年に発覚したベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件で、被害に遭った顧客ら計約180人が同社と関連会社に計1478万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁であった。朝倉佳秀裁判長(市原義孝裁判長代読)は「慰謝料が発生するほどの精神的苦痛があるとは認められない」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

原告側は電話番号や住所などの流出によって「営業電話やダイレクトメールを受けたり、詐欺などの犯罪に利用されたりするリスクがあり、重大な不安感がある」と主張。ベネッセ側は「(流出情報を使った)勧誘行為があったとしても、日常的にありふれたものだ」と反論していた。

朝倉裁判長は判決理由で、ベネッセや関連会社が十分な対策や監督を怠ったとして注意義務違反を認定。一方で、氏名や住所などの情報が「思想信条や性的指向などの情報に比べ、他者にみだりに開示されたくない私的領域の情報という性格は低い」と判断した。

原告側に実害が生じていないとしたうえで、ベネッセがおわびの文書と500円相当の金券を配布したことなども考慮し、原告側が求めた1人当たり3万~10万円の損害賠償は認めなかった。

原告の1人で代理人を務めた金田万作弁護士は判決後、東京都内で記者会見し「プライバシー侵害を認めながら、(賠償すべき)損害が生じていないというのは矛盾だ」と指摘。「漏洩しても賠償しなくてよいとれば、企業がセキュリティー向上に取り組まなくなる」と批判した。

ベネッセコーポレーションは「判決内容については、現在精査中でコメントは控える」としている。

ベネッセホールディングスは流出した個人情報が約2895万件に上ると推計。氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレスなどのほか、一部で出産予定日も漏洩した。同事件では、別の原告ら約1万人でつくる「被害者の会」も集団訴訟を起こしている。

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