フェイスブック、情報流用8700万人規模に拡大
ザッカーバーグCEO「私の過ち」
【シリコンバレー=中西豊紀】米フェイスブックは4日、英コンサルティング会社によって個人情報が不正に取得されていたユーザー数が最大で8700万人にのぼると発表した。当初は5000万人とされていた。影響を受けるユーザーのほとんどが米国内にいる人だという。ユーザー情報の管理を巡る同社への批判の声がさらに強まるのは必至だ。
同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は同日、電話による記者会見を開き、今回の情報流出や偽ニュースのまん延を防げなかった問題などを総括し「我々が負うべき責任について幅広く目配りできていなかった。私の過ちだ」と謝罪した。
投資家などから辞任を求める声が上がっていることには「この教訓を生かして前に進むべくこの仕事を続けていく」として否定的な見解を示した。同社は同日、外部組織によるユーザーデータの共有を厳しく制限する措置を発表しており「対応はもう始まっている」と話した。
最大で8700万人に上る情報の不正流出については「保守的に見積もったものでもっと少ない可能性がある」と説明。ユーザー情報で稼いでいるとの指摘には「我々はユーザー情報を売っているのではない」と反論し「むしろデータを生かして良いサービスを提供している」と述べた。
大量のユーザー情報は英ケンブリッジ・アナリティカによって不正に取得された。同社は個人の行動データを人工知能(AI)で分析し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って選挙時の投票行動に影響を与えるビジネスを運営。2016年の米大統領選ではトランプ陣営に有利になるように「情報戦」をしかけたとされている。
ロシアの選挙介入を調べる米議会は昨年からフェイスブックのコンテンツ管理が緩かったとして厳しく追及する構えを示している。同社のザッカーバーグCEOは11日に米議会が開く公聴会に証人として出席し経緯を説明する。