イタリア総選挙、中道右派が優勢 五つ星は政党別首位
どの陣営も過半数は困難か
【ローマ=細川倫太郎】イタリアの総選挙は4日、即日開票された。伊メディアによると、中道右派連合の得票が最も多い。単独政党としてはポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」が第1党になる見通し。現在の与党・民主党を中心とする中道左派連合は伸び悩んだ。ただ、どの陣営も過半数には届かない可能性が大きい。安定政権の樹立に向け連立交渉が始まるが、混乱は避けられそうにない。
4日午後11時(日本時間5日午前7時)に投票を締め切り、開票が始まった。5日未明にも大勢が判明する見通し。下院(定数630)、上院(同315、終身議員除く)の全議席を改選する。両院ともに権限は同じで、安定政権の樹立には双方で過半数を取る必要がある。
伊公共放送RAIによると、上下両院の得票率の出口調査では、ベルルスコーニ元首相が率いるフォルツァ・イタリアなど4党でつくる中道右派が35%前後でトップで第1勢力になる見通しだ。注目を集めたポピュリズム政党の五つ星は31%前後となった。中道左派は26%前後と厳しく、おおむね事前予測通りの結果となった。
どの陣営も過半数を獲得するのは難しそうだ。今後はトップの中道右派を軸に連立交渉が進むとみられる。中道右派は五つ星と互いを敵対視しているため、まずは民主党との連立を模索するとの予測が多い。ただ、移民政策などを巡って意見の隔たりは大きく、交渉は難航しそうだ。