車中2泊、疲労困憊 食料売り切れ 福井大雪立ち往生
記録的な大雪で、多くの人が車中泊を余儀なくされた福井県の国道8号では7日、渋滞が解消される見通しが立たないまま2度目の夜を迎えた。車を降り、近くの公民館に避難する人も。「何とかしてほしい」。疲労困憊(こんぱい)のドライバーらからは、復旧を待ちわびる切実な声が上がった。
6日朝に通勤途中で巻き込まれた福井県あわら市の会社員、谷川友紀子さん(21)は、車内で眠れぬ夜を過ごし、自衛隊や近隣住民から配られたおにぎりで空腹をしのいだ。7日午後には周りでは近くの住宅の敷地に車を入れさせてもらい、歩いて帰宅する人もいた。
谷川さんは午後3時ごろ、自宅から駆け付けた母親と入れ替わり、2時間半かけて歩いて帰宅。「立ち往生が解消されないと、再び母親と交代しないといけない。行政や自衛隊が協力し除雪を続けてほしい」と疲れた様子で話した。
同県坂井市では、国道脇に降り積もった雪が大人の身長を超える高さに。ドライバーたちは車が埋まらないように協力して雪かきを続けた。
大学の入学試験を受けられなかった高校3年の女子生徒(18)は、渋滞中の車内で「悔しい」と肩を落とした。
5日夜に大阪市を出発し、金沢市に向かっていた夜行バスは、通行止めとなっていた高速道路を避けて渋滞にはまった。7日午後、車が動きだしたが、入った脇道で再び立ち往生。車内で過ごす3日目の夜に、乗客の男性会社員(35)は「早く風呂に入りたい」と漏らした。
坂井市は6日から公民館など3カ所を開放し、毛布や食料を提供。車を降りてきた数人が休息を取った。市職員の女性(57)は「ガソリン切れが心配だ。何とかしてほしい」と気遣った。
国道沿いのコンビニ店には、車から数キロ歩いて食料を買い求めに来る人も。しかし、既におにぎりやパンは売り切れ、あるのはカップ麺やお菓子だけ。店長(69)は「商品の補充ができず、なくなるのも時間の問題。早く渋滞を解消してほしい」とため息をついた。〔共同〕