ベネズエラ国債をデフォルト認定、S&P 債務支払い遅延が常態化
【サンパウロ=外山尚之】米格付け大手S&Pグローバルは9日、2020年に償還を迎えるベネズエラ国債について、デフォルト(債務不履行)状態にあると発表した。猶予期限を過ぎても利払いがなかったという。マドゥロ政権の失政でベネズエラ経済は低迷し、対外債務の支払い遅延が常態化していた。
S&Pによると、4500万ドル(約50億円)の利払いが履行されなかったとして、同債券の格付けを債務不履行を示す「D」とした。資金繰りに苦しむマドゥロ政権は17年11月に対外利払いを停止すると宣言したが、国債と国営企業の社債が部分的なデフォルト状態だと認定されたことを受け、利払い再開を表明していた。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、すでにベネズエラ国債と国営石油会社PDVSAの社債がデフォルト状態にあるとして清算が始まっており、今回のデフォルト認定が金融市場に与える影響は軽微とみられる。S&Pも既に発行体としてのベネズエラを一部の債務を履行しない「選択的デフォルト」と認定していた。