ドローン落下、6人軽傷 岐阜・大垣公園
4日午後2時5分ごろ、岐阜県大垣市郭町2の大垣公園で開かれていたイベント「ロボフェスおおがき2017」で、上空から来場者に菓子をまいていた小型無人機「ドローン」(直径約85センチ、高さ約55センチ、重さ約4キロ)が約10メートルの高さから落下し、5~48歳の男女6人が額や肩を擦りむくなどの軽傷を負った。
イベントを主催した大垣観光協会によると、当時周辺には子供約100人とその家族ら計約600人がいたという。ドローンは協会側の委託を受けた同県各務原市のドローン製作会社代表の男性(37)が操縦。男性は、国土交通省大阪航空局で今回の飛行許可を事前に得たと説明している。
大垣署は業務上過失傷害の疑いもあるとみて操作ミスや機体の不具合がなかったか、男性から事情を聴いている。
岐阜地方気象台によると、大垣市の当時の風速は2.8メートルで、特に強くはなかった。
同署によると、軽傷を負ったのは同県海津市の女性(48)と息子の小学生(7)、親戚の男児(5)、同県瑞穂市の男性(39)といずれも小学生の長男(10)と長女(7)。
同協会によると、ドローンは菓子約100個を入れたかごを取り付けていた。午前11時半ごろにも5~10分間の飛行を4回繰り返して菓子をまいたが異常はなかったという。ドローンによる菓子まきは5日も実施予定だったが、中止となった。
ドローン墜落による人身事故は、神奈川県藤沢市の建築現場で2月18日に起きたのが初めてとみられる。この際は、現場空撮のために飛行していたドローンが、高さ約70メートルの場所でクレーンに接触して墜落。衝突した男性作業員が負傷した。
イベントは大垣市の市制100周年(2018年)に向けたプレイベントで、さまざまなロボットが展示され、来場者が操作したり、触れ合ったりすることもできる。
大垣観光協会の交告俊夫事務局長の話 けがに遭われた方やロボフェスを楽しみにしていただいた方に深くおわび申し上げます。今後は安全対策をさらに徹底します。〔共同〕
■連休の公園に泣き声響く 菓子目当ての親子連れ直撃
上空から菓子をまいていた小型無人機ドローンは突然傾き、あっという間に墜落した――。3連休中日の4日午後、岐阜県大垣市の公園でドローンが落下し6人が軽傷を負った事故。ツイッターなどには、来場者が様子を撮影した動画が何本も投稿されていた。現場周辺には菓子を目当てに多数の親子連れが集まっており、泣き声や悲鳴が響いた。
「キャー」。人混みの中から飛び立ったドローン。しばらく菓子を落としていたが、40~50秒後に突然ふらふらと回転し、直後に落下。「ドン。ガシャーン」という音とともに、子供を肩車していた男性を直撃した。
現場は、よろけながら倒れ込んだ男性や子供を助けようとする人や、様子を写真や動画で撮ろうとする人、公園で開かれていたイベントのスタッフらでもみくちゃに。泣きだす子供もおり混乱した。
展示品のロボットを見に来ていた岐阜市の男性会社員(53)によると、菓子をまくために取り付けられた部品は、落下の衝撃でばらばらになっていた。天候は曇りで、ドローンの飛行直前まで降っていた雨はやみ風も強くはなかったという。
男性は「人混みの上を飛ぶという企画自体が間違い。当たる場所が悪ければ大変なことになっていた」と振り返った。
〔共同〕