青森県、むつ小川原で浮体式LNG基地を構想
青森県は22日、むつ小川原開発地区(六ケ所村、三沢市)で浮体式液化天然ガス(LNG)基地とリチウム回収技術の実証事業を進める構想を発表した。2事業を進めるため、区域を限って規制緩和を行う国家戦略特区の指定を国に申請した。
むつ小川原地区には原子力などエネルギー関連施設が集まる。県はさらに集積を進め、同地区をエネルギー関連産業の一大拠点にしたい考えだ。
申請した特区名は「青森県むつ小川原エネルギー産業創造特区」。浮体式LNG基地は岸壁につないだ船舶でLNGの受け入れ・貯蔵・ガス化を行う方式で、実現すれば国内で初めてとなる。
建設コストは地上基地の3分の1以下で建設期間も半分程度という。県はLNG火力発電所の誘致も目指す。
リチウム回収技術は日本原子力研究開発機構の国際核融合エネルギー研究センター(六ケ所村)が開発した世界初の技術で、海水や使用済みリチウムイオン電池からリチウムを回収する。県はこの技術の実証プラントを整備し、電池関連の産業創出・集積を目指す。
2つの事業とも前例がないため、戦略特区への指定で早期の実現をめざす。県は今春にも2事業が指定を受ければ、事業主体の決定など具体的な計画づくりに着手。3~5年間の実証事業を経て、10年以内の構想実現を目指す。