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京田辺市に北陸新幹線新駅 大阪延伸で松井山手への設置浮上

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北陸新幹線の京都―新大阪間のルートが7日固まった。与党検討委員会は京都府京田辺市に新駅を設ける南回り案を採用する方針を示した。新駅はJR片町線松井山手駅に接続する。北陸3県や西日本旅客鉄道(JR西日本)は途中駅を設けず所要時間の短い北回り案を支持していたが、地元への経済効果を求める京都府の立場に理解を示した格好だ。

検討委の西田昌司委員長は同日、「(南回りに)異論はなかった」と説明した。

国土交通省が7日提示した試算によると、南回りの費用対効果(開通による効果を総費用で割った数値)は1.05。東海道新幹線の北側を通る北回りは1.08とほぼ同水準だった。距離は3キロ、所要時間は1分間しか変わらない。概算建設費は2兆1000億円で北回りを300億円しか上回らない。検討委では南回りについて地域経済への波及効果などを評価する声が多かったという。

営業主体となるJR西日本や福井県などは北回りを主張してきた。建設費が安く、所要時間が短いとみられたためだ。

一方、南回りルートを推す京都府は当初、京都、大阪、奈良にまたがる関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の付近を経由する案を提示した。だが国交省が昨年11月に示した試算で費用対効果が0.9台と北回りを下回り、与党検討委は距離の短い京田辺市付近を経由する案の検討を指示していた。

南回りで焦点となっていた新駅については、松井山手駅付近に設置する構想が浮上した。同駅はJR片町線との接続で、けいはんな学研都市に集積する研究機関などへのアクセス向上や沿線地域の活性化が期待できる。大阪府枚方市など府北東部の住民の利用も多く見込めるという。大阪と京都を結ぶ高速道路へのアクセスもよい。

北回りとの比較で課題だった建設費についても、松井山手駅周辺は地価が割安で、大規模な用地が必要な車両基地を設けるのにも適している。

京都府の山田啓二知事は「南回りの実現に大きく前進した」とし、京都商工会議所の立石義雄会頭は「京都府域や関西全体の発展にも大きく寄与する」と歓迎した。

背景には費用負担を巡る京都府側への配慮もありそうだ。敦賀以西ルートの決定過程では府の求める舞鶴ルートではなく小浜京都ルートが採用された。山田知事は「京都は便益に応じて負担する」とけん制していた。

これまでJR西は北回りを推してきた。ただ来島達夫社長は2月の定例記者会見で「速達性(所要時間の短さ)を重んじて駅をなくすのか。駅を造ることで(地域の)利便性にも貢献するのか。数字を検証し、最終的に国が方向付けすると理解している」と慎重な言い回しに終始していた。

JR西は7日、「ルートは沿線自治体の意向を確認したうえで検討委で決めると認識している」とコメントした。

北陸でも北回りにこだわる声は薄れつつある。石川県の谷本正憲知事は同日、南回りについて記者団に対し「大事なのはルートを早く決めて敦賀以西の着工を遅らせないことだ」と述べた。富山県の石井隆一知事は「北海道新幹線の札幌開業の2030年度末までに大阪までの全線整備を実現してほしい」とコメントした。

与党検討委は13日の次回会合で結論を出す。上部組織の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が15日に会合を開き正式決定する。

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