三菱商事、独ELG社から炭素繊維再資源化事業会社「ECF」の株式25%を取得し事業参画に合意
【プレスリリース】発表日:2018年12月14日
英国における炭素繊維再資源化事業への参画
三菱商事株式会社(以下、当社)はドイツ ELG Haniel GmbH 社(イーエルジー・ハニエル社、以下 ELG)から、炭素繊維の再資源化事業会社である ELG Carbon Fibre Ltd.社(イーエルジー・カーボン・ファイバー社、以下 ECF)の株式の 25%を取得し、事業参画に合意しました。本件の完了は、関係規制当局からの承認等を前提としており、今後必要な手続きを進めます。
炭素繊維は日系メーカーが約 7 割の製品供給を担う本邦を代表する先端素材であり、鉄の 4 分の1の重量ながら、強度は 10 倍以上を有する素材として、高強度且つ軽量な素材を必要とする航空機、風力発電等の産業で活用されています。
また、内燃機関車の排ガス削減や電気自動車の航続距離延長を課題とする自動車業界では、車体のマルチマテリアル化による軽量化が重要な課題となっており、今後、炭素繊維のニーズが更に高まると見られております。世界の炭素繊維の市場規模は、現在の約 6 万トン/年から今後年率 10%程度の成長が見込まれておりますが、より広範な普及を進めていくには生産コスト低減が課題となってきます。
ECF は炭素繊維強化プラスチック(以下 CFRP)の端材等を再資源化する独自の技術とノウハウを有している英国の製造販売会社です。世界で初めて商業生産ベースで二次加工(リサイクル)炭素繊維の安定生産を実現し、自動車産業や電子材料産業向け等に供給しています。ECF はこれまで最終処分が困難であった CFRP の端材等を再資源化することで、サステナブルな素材の提供に貢献すると共に、生産コスト低減を実現し、競争力ある素材を安定的に市場に提供することで、本邦の基幹産業である自動車業界が直面する課題の解決を目指しています。当社は、既存事業のネットワークや知見を活かしながら、株主として ECF の掲げるビジョンの実現を目指します。
当社は、今回の事業参画により、ECF のグローバルな事業展開と二次加工炭素繊維の安定供給を確立し、持続可能な産業発展と低炭素社会の実現に向け貢献して参ります。
<参考情報>
■当社概要
・本社所在地:東京都千代田区丸の内 2-3-1
・創立:1954 年
・事業内容:地球環境・インフラ事業、産業金融事業、エネルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の 7 グループ体制で幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開
・代表者:代表取締役社長 垣内威彦
■ELG Haniel GmbH 社概要
・本社所在地:Kremerskamp 16,47138 Duisburg
・設立:1962 年
・事業内容:ステンレス鋼、チタニウム、超合金等の金属の再資源化事業
・代表者:CEO,Detlef Drafz
■ELG Carbon Fibre Ltd.社概要
・本社所在地:Cannon Business Park,Darkhouse Lane,Coseley,West Midlands,WV14 8XQ
・設立:2011 年
・事業内容:炭素繊維再資源化事業
・代表者:Managing Director&CEO,Frazer Barnes
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