東証大引け、大幅反落 3週ぶり安値、欧州中銀の緩和物足りず
4日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。終値は前日比435円42銭(2.18%)安の1万9504円48銭と、11月16日以来、約3週間ぶりの安値を付けた。下げ幅は9月29日以来の大きさだった。欧州中央銀行(ECB)が3日に決めた追加金融緩和策が物足りないと受け止められ、投資家心理が悪化した。円相場が円高・ドル安方向に振れたことも重荷となり、幅広い銘柄に利益確定売りが広がった。
下げ幅は一時500円に迫り、心理的な節目の1万9500円を下回る場面もあった。ECBの追加緩和が肩すかしに終わったとの見方から、3日の欧米株式相場が軒並み急落。午後にはこれまでの株価上昇を主導してきた株価指数先物に持ち高整理を目的とした売りがかさみ、現物株の下げに拍車を掛けた。
米国の利上げ時期を見極める上での材料となる11月の米雇用統計が日本時間今晩に発表される。非農業部門の雇用者数は前の月から20万人程度増えたと予想されている。12月の米利上げがすでに織り込まれたとの見方から「(予想通りなら)雇用統計の発表後も相場の反応は大きくない」(ニッセイ基礎研究所の窪谷浩主任研究員)との声があるが、米国株相場の反応を見たいとの指摘もあった。
JPX日経インデックス400は反落し、前日比271.08ポイント(1.88%)安の1万4160.85で終えた。東証株価指数(TOPIX)は4日ぶりに反落し、終値は28.92ポイント(1.80%)安の1574.02だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆4314億円、売買高は20億4719万株。東証1部の値下がり銘柄数は1696と、全体の9割近くを占めた。値上がりは160、変わらずは65銘柄だった。
主力の三菱UFJや野村が下落。東芝も下げた。パソコン事業を富士通、ソニーから独立したVAIOと統合する検討に入ったと報じられたが、相場全体の地合いの悪さが響いた。値がさのファストリやファナック、自動車のトヨタや富士重が下げた。一方、富士通は上昇。証券会社が投資判断を引き上げた日水も上げた。
東証2部株価指数は4日ぶりに反落した。アートSHDや朝日インテクが下げ、綿半HDやアオイ電子が上げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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