マレーシア機撃墜の国際法廷設置、ロシアが拒否権 国連安保理
【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は29日、ウクライナ東部で2014年7月にマレーシア航空機が撃墜され乗客と乗員を合わせた298人が死亡した事件の究明を巡る国際法廷の設置を求める決議案を採決したが、ロシアが拒否権を発動したため採択できなかった。中国、アンゴラ、ベネズエラは棄権した。マレーシア、オランダ、ウクライナなど5カ国が国際法廷の設置を求めていた。
ロシアのチュルキン国連大使は撃墜事件について「国際平和と安全に対する脅威とは思われない」などと主張した。
事件発生当時、ウクライナ東部では同国政府軍と親ロシア派武装勢力が戦闘状態にあった。マレーシアやオランダは自国民の犠牲者が多かった。