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金正男氏殺害「北朝鮮大使館員が関与」 マレーシア警察

新たに3容疑者浮上、高麗航空職員も

(更新)
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【クアラルンプール=吉田渉】マレーシアのカリド・アブバカル警察庁長官は22日、クアラルンプールの警察本部で記者会見し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害について「国外に逃亡した北朝鮮籍の容疑者がすでに平壌に到着しており、北朝鮮政府に捜査への協力と4人の容疑者の身柄引き渡しを要求した」と述べた。国外に逃げた4人とは別に、事件に関与した可能性がある人物が3人いると特定し、その中に北朝鮮大使館勤務の外交官が含まれると明らかにした。

正男氏は13日午前、クアラルンプール国際空港で2人組の女に襲われ、その後死亡。マレーシア保健省は21日、死因は調査中と公表しているが、マレーシア警察庁長官は「実行犯の2人の女は毒物だと認識した上で犯行に及んだ」と断言した。

マレーシア警察は22日、国外に逃げた4人とは別に、事件への関与を疑われる人物3人を指摘。うち2人は北朝鮮の航空会社、高麗航空の職員と駐マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官と特定し、まだマレーシア国内にいるとしている。マレーシア警察は北朝鮮大使館に事情聴取を要求したが「北朝鮮大使館はまったく捜査に協力していない」と非難した。

北朝鮮側は死亡した男性を「キム・チョル」氏だとして金正男氏とは無関係の人物だと主張しているが、この件に関してマレーシア警察は「北朝鮮からの証拠提供はまだない」と述べた。

北朝鮮の駐マレーシア大使はマレーシア政府の対応を非難した上で遺体の即時引き渡しを求めており、マレーシア側も態度を硬化。駐北朝鮮大使を本国に召還するなど、両国関係は緊張している。

マレーシア警察は15日から17日にかけ、実行犯とみられるベトナム国籍とインドネシア国籍の女2人や後方支援に携わった北朝鮮籍の男などを逮捕したが、殺害計画を立案した主犯格とみられる北朝鮮籍の男4人は既にマレーシアを出国しており、ドバイなどを経由して平壌に帰ったと報じられている。

正男氏の息子ハンソル氏が20日にマレーシアに入国し、21日未明に遺体と面会し身元を確認したとの現地報道があるが、警察庁長官は「単なる噂だ」と明確に否定した。

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