紫色LEDで省エネに貢献 ノーベル賞の中村氏
【シリコンバレー=兼松雄一郎】ノーベル物理学賞の受賞が決まった中村修二・米カリフォルニア大学教授は自身が創業した発光ダイオード(LED)ベンチャーSORAA(カリフォルニア州フリーモント)で8日、記者会見を開き、同社が製造する紫色LEDの普及によって消費エネルギーを減らし、様々な社会問題を解決する意気込みを語った。
中村氏は青色LEDの開発をノーベル賞受賞につなげたが、現在取り組んでいるのは紫色LEDだ。青色LEDより少ないエネルギーで同じ明るさを実現可能で、大きな省エネ効果が期待できる。色調が製品ごとに均質で展示品の演出などにも使いやすいという。

SORAA社の紫色LEDは展示会場の照明などに使われ始めている。2、3年をめどに価格を大きく下げ、一般的な照明向けで一気に普及につなげる計画だ。同氏は「米国の研究者は起業の機会が多い」と語り、日本の研究者も米国で起業に挑戦すべきだとの持論を語った。
関連企業・業界