アップル、「スマホ中毒」巡り物言う株主から圧力
【NQNニューヨーク=川内資子】アップルがスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」について、長時間使用が子供の健康に与える悪影響を防ぐ対策を取るよう物言う株主(アクティビスト)から求められている。アクティビストが業績や金融面でなく、社会的な責任を企業に問うのは異例で市場で話題になっている。
要求したのはアクティビストして知られるジャナ・パートナーズと米公的年金大手のカリフォルニア州教職員退職年金基金カルスターズ。アップルに連名で出した6日付の公開書簡で「若い消費者が製品を最適に使えるよう親が管理できるツールを提供する必要がある」と指摘した。
スマホなどを長時間使用した子供は集中力が低下したり、うつ病を発症して自殺したりする傾向が高まると結論づけた医学研究が根拠。書簡では「アップルが次世代を保護する対策を取り、顧客に選択肢を与えることは長期的な株主価値を高めることになる」と主張した。この分野の専門家委員会の設置や研究の促進、親のための新しい管理ツールや選択肢の開発や提供などの必要性を挙げた。
ジャナとカルスターズはアップル株を計20億ドル(約2260億円)保有する。保有比率は0.2%あまりとみられる。