電通、有休取得50%以上目標に 「鬼十則」に別れ
電通は9日、従業員の行動規範とされてきた「鬼十則」について、従業員向け手帳への掲載をやめると発表した。2017年度からはすべての局での有給休暇の取得率も50%以上にする。労働環境改善策の一環。
鬼十則は中興の祖である4代目社長、吉田秀雄氏の遺訓で、1951年に制定された。「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…」などという内容が過重労働につながっているとの指摘を受けていた。
全体の有休取得率は15年度で54%、16年度も前年度を上回って推移している。しかし間接部門が高い一方、営業部門は低いなど部局によって差がある。全局で5割を超えるようにすることで業務量を平準化する。
発注先の制作会社などとも個別に協議を始める。深夜業務や長時間労働につながらないように発注のルールや工程管理方法を作成する。
管理職への360度評価も取り入れる。部下からの評価も対象となるため、多様な価値観や仕事観を管理職が認識するきっかけになるという。一般従業員の評価に関して、一人ひとりの成長やキャリア開発を重視して中期的な目標達成を評価に取り入れるため、労働組合との協議も始める。
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