東芝が業績予想取り下げ 15年3月期、不適切会計問題で
東芝は8日、2015年3月期の連結営業利益が3300億円などとしていた業績予想を取り下げるとともに、期末配当を見送ると発表した。一部のインフラ工事で不適切な会計処理が発覚し、社内外の委員会で調べてきたが、さらに慎重な調査が必要になった。決算発表は6月以降にずれ込む。
14年3月期に計上したインフラ案件で会計処理に問題があったと4月3日に発表した。当初もうけた特別調査委の調べでは、工事の進捗に応じて売上高や原価を計上する「工事進行基準」を使って収益計上したが、一部の工事で原価を過小に見積もった可能性などがあるという。今後は、外部の専門家のみで構成する第三者委員会による調査に切り替える。
15年3月期は営業利益で25年ぶり最高更新、純利益も前の期比2.4倍の1200億円を見込んでいたが、会計処理問題の影響を見極めるため予想が困難になった。14年3月期以前の決算を修正する可能性もある。
期末配当はこれまで「未定」としてきた。3月期末の決算で配当原資を確定させる手続きが期限に間に合わないため、中間4円配のみの年4円とする。
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