中国大手航空各社、ネット予約大手に制裁
■中国航空大手4社 中国南方航空(広東省)などがネット予約サイトの業界第2位「去●児(●はくちへんに那)」(チューナー)との販売協力を打ち切った。同サイトを通じて航空券を予約した顧客からの苦情が相次ぎ、制裁する形を取った。
販売協力を打ち切ったのは、中国南方航空のほか、中国東方航空(上海市)、中国国際航空(北京市)、海南航空(海南省)。
具体的には、各社が傘下に持つ旗艦代理店とチューナーの販売協力を中止した。各社の旗艦代理店は、顧客からの信用度が高く、航空券の販売量も多いため、旗艦店の離脱は予約サイトを運営するチューナーにとっては打撃となる。ただ、現在までのところ、チューナーからの離脱は旗艦の代理店のみで、その他の代理店は従来通り、今後もチューナーのサイト内で各社の航空券を販売する。
航空各社は、チューナーが予約客に対して、航空券の変更手続きを怠るなど、クレームが多いことを理由にしている。
航空各社は今後、航空券の直接販売を増やす方針だ。中国南方航空の現在の直販比率は30%弱。直販比率を10%引き上げると、年間10億元(約180億円)の経費削減効果があるという。
中国の格安航空会社(LCC)の春秋航空はすでに直販比率が85%程度に達しているとされる。
そのため、中国メディアの間には、直販比率を高め、収益力を上げたい国有企業の航空会社が一斉に、「顧客とのトラブル」を理由に挙げ、チューナーとの販売協力を見直したと指摘する声も多い。
中国のネット予約サイトの最大手は、携程旅行網(シートリップ)。携程が同2位のチューナーを昨年10月に買収し、筆頭株主となった。中国では、両社合計シェアは70%弱にも達し、圧倒的な存在感を誇っている。(広州=中村裕)