禁止鎮静剤が影響か 東京女子医大病院で死亡の子供5人
東京女子医大病院(東京・新宿)は18日、過去6年間に集中治療室(ICU)で鎮静剤「プロポフォール」を投与され、その後に死亡した子供11人のうち5人について「投与が影響した可能性を否定できない」とする外部評価委員会の検証報告を明らかにした。
プロポフォールは添付文書の禁忌事項として、ICUで人工呼吸器を装着した子供への使用が原則、禁止されている。報告書によると、重度の心疾患だった11人は禁忌に当たる状態だったが、いずれもプロポフォールの投与後に死亡していた。
このうち5人は投与がなかったとしても最終的に死亡した可能性があったが、投与により直接の死因となった感染症や心不全が悪化し、死亡に至った可能性があると指摘。ほかの6人については、投与と死亡の因果関係はないと結論づけた。
報告書は、診療スタッフが禁忌事項に関する認識が不十分だった可能性にも言及。同病院の林和彦副院長は記者会見で「当時のICUでは危険性の周知が徹底していなかった」と述べた。
一連の問題を巡っては、今年2月に男児(当時2)が死亡した事故について、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。