胆汁成分「タウリン」、コレラ菌を誘引 阪大や法大チーム
人体に入ったコレラ菌が増殖の場として小腸を目指して泳ぐ際、小腸にある胆汁の成分「タウリン」に引き寄せられることを大阪大や法政大などのチームが突き止め、18日までに英科学誌電子版に発表した。
コレラ菌は飲食物を介して口から入ると、小腸に定着し毒素を産出、激しい下痢を引き起こす。
チームの川岸郁朗法政大教授(分子生物学)は「コレラ菌の行動制御や新しい薬剤の開発にもつながる成果」と話した。
チームによると、増殖しやすい環境を感知するコレラ菌内のMlp37というタンパク質がタウリンを認識し、引き寄せられて結合することが分かった。容器内の実験で、Mlp37が働かないようにしたコレラ菌はタウリンに引き寄せられなかった。
小腸はタウリンの濃度が高い。タウリンに誘引されないようにして、体内でコレラ菌が定着しないようにできれば、発症を抑える薬剤の開発につながるとチームはみている。〔共同〕