災害時、放置車両を撤去可能に 改正対策法が成立
地震や大雪などの災害発生時、公道をふさぐ放置車両の強制撤去を可能にする改正災害対策基本法が14日の参院本会議で可決、成立した。首都直下地震や南海トラフ地震などの大規模災害を念頭に、緊急車両が速やかに救援に向かえるようにする。年内にも施行の見通し。
改正法は、災害時に緊急車両の通行ルートを確保するため、放置車両を所有者の同意なしで撤去できる権限を国や都道府県などの道路管理者に与える。重機を使って動かすケースなども想定し、車両が破損した場合に所有者に補償する規定も設けた。
撤去した車を一時的に置くため、沿道の民有地の利用や木の伐採も認めた。
道路法には所有者の同意なしに車を動かすことを認める規定がある。しかし原則50メートル以内に限られるうえ、車を破損しないようレッカー移動しなければならない。
今年2月、関東甲信地方に記録的な大雪が降った際、道路の寸断や通行止めで多くの車両が立ち往生。除雪車や緊急車両が通行できず、救助や復旧活動に遅れが出た。