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伊方原発で大規模訓練 過酷事故想定、海自艦で住民避難

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政府や愛媛県などは四国電力伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)の過酷事故を想定した総合防災訓練を8日から2日間の日程で行った。9日午前には大分県の協力を得て、住民を伊方原発のある佐田岬半島から対岸の大分市に海上自衛隊の艦船や民間のフェリーを使って避難させた。対岸の大分、山口両県も含む105機関の約1万4570人が参加した。

伊方3号機については、愛媛県の中村時広知事が10月下旬に再稼働に同意した。再稼働に向けた準備が進んでおり、九州電力川内原発(鹿児島県)に次ぐ2番手となる可能性が高い。

伊方原発は細長い形状の佐田岬半島の付け根に位置しており、原発事故の際に半島の先端側の住民約5千人が陸路で避難できずに孤立する恐れが指摘されている。

訓練では、半島の先にある三崎港に住民約70人が集まり、汚染検査を受けた後、海自艦とフェリーに分乗して出港。対岸の大分県の港から大分市の避難施設にバスで移動した。海自艦には愛媛県の中村知事も乗り、避難の実効性を確認した。

伊方原発から30キロ圏内にある小中高校や幼稚園では児童生徒らが屋内退避訓練を行った。

訓練は8日午前8時30分に震度6強の地震が発生し、伊方原発で外部からの電力供給が途絶えたと想定。運転中だった3号機の原子炉が冷却できなくなり、最終的に放射性物質が放出されて周辺地域に影響が広がる事態を仮定した。

首相官邸では、8日午後3時15分に「全ての非常用の炉心冷却装置による注水機能が喪失した」として、安倍晋三首相が模擬記者会見で「原子力緊急事態」を宣言。原子力災害対策特別措置法に基づき半径5キロ圏内と予防避難エリアの伊方町の住民に避難指示を出した。

訓練には大分県、山口県などの関係自治体や四国電力、医療機関、公共交通機関のほか、約1万3千人の住民も参加した。

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