米国株、急落 ダウ608ドル安で3カ月ぶり安値 世界景気に懸念
【NQNニューヨーク=横内理恵】24日の米株式相場は急落した。ダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前日比608ドル01セント(2.4%)安の2万4583ドル42セントと7月上旬以来の安値で終えた。年初来の騰落率はマイナスに転じた。世界景気の先行き不透明感が意識された。引けにかけて売りが加速した。
10月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)の総合指数が52.7に低下した。市場予想(53.9)を下回った。製造業やサービス業指数も市場予想以上に低下した。
前日に発表した四半期決算で、建機のキャタピラーや事務用品・工業製品のスリーエム(3M)が鉄鋼関税や中国需要減の影響を受けるとの見通しを示していた。米中貿易摩擦の長期化が想定以上に世界の経済活動を停滞させるとの懸念が強まった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が節目の2700を下回り、先安観につながった面もあった。投資家心理を測る指標である米株式相場の変動性指数(VIX)は不安心理が高まった状態とされる20を上回り、一時26前後に上昇した。相場の不安定な値動きを嫌気した売りも出た。
ダウ平均は寄り付き直後は高く推移する場面があった。市場予想を上回る増収増益決算を発表した航空機のボーイングが上げ、相場を支えた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に続落した。同329.138ポイント(4.4%)安の7108.401と5月上旬以来、5カ月半ぶりの安値で終えた。世界景気の減速懸念を手がかりに、大手ハイテク株への売りが優勢だった。前日夕に四半期決算と併せて需要に慎重な見通しを示したテキサス・インスツルメンツ(TI)が大幅安となり、半導体関連にも売りが広がった。