シベリア抑留は「歪曲」 記憶遺産でロシア
【モスクワ=共同】ロシア外務省は22日の声明で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録された第2次大戦後のシベリア抑留について、日本は旧ソ連・ロシアとの合意文書を「乱暴に歪曲している」と批判した。
外務省は旧ソ連に連行された日本軍将兵は、戦争終結後に不当に留め置いた「抑留者」ではなく、戦闘継続中に合法的に拘束した「捕虜」であると主張した。
日本は終戦の日付を8月15日としている。だがロシアは、日本が降伏文書に調印した9月2日を第2次大戦終結の日と規定。それまでに旧満州などにいた日本軍将兵を旧ソ連に移送したとの立場だ。
声明は、このような見解の相違があるため、1991年に当時のゴルバチョフ・ソ連大統領が訪日して調印した協定でも「抑留」との文言は使用しなかったと指摘した。
ゴルバチョフ氏訪日時に、旧ソ連が資料提供や実態調査への協力を約束した協定では「捕虜収容所に収容されていた者」との表現を使っている。