大熊町、3区域に再編
福島、住民95%「帰還困難」に
政府の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)は30日、東京電力福島第1原発事故で全町民が避難している福島県大熊町について、帰還困難区域など3区域に再編することを決めた。実施は12月10日付。同原発が立地する自治体で区域を見直すのは初めて。
内閣府によると、大熊町の人口は今年11月時点で約1万1000人。帰還困難区域に指定した地域には、住民の95%が住んでいた。年間線量が50ミリシーベルトを超えるため、少なくとも5年間は立ち入りを規制する。
今回の再編は帰還困難区域の線引きが焦点だった。政府が7月に公表した不動産の賠償基準では、事故から6年以上帰宅できない場合、全額賠償するとしている。
復興庁の住民意向調査では、住民の半数近くが「現時点で戻らないと決めている」と回答した。全額賠償を受け、移住先などで新たな住宅を購入することを考えている住民も少なくないとみられる。
区域再編は4月から5市町村で実施しており、大熊町で6例目。