能登地震「避難所ニーズ、自衛隊が直接把握」 首相指示

岸田文雄首相は3日、能登半島地震で自治体が把握しきれない避難所ごとの救援物資の具体的な要望を自衛隊が直接聞き取って輸送・提供するように指示した。首相官邸で木原稔防衛相と面会し伝えた。
首相官邸で記者団に明らかにした。「自治体の機能が回復するまでは国がサポートして、ニーズの把握と物資の運搬をすることが重要だ」と指摘した。被災自治体に国の職員を追加派遣して連絡調整を緊密にする考えも示した。
首相は石川県の馳浩知事ら地元自治体の首長とテレビ会議で意見交換した。水や食料、燃料、仮設トイレ、病院の資機材などの要望を聞いた。
首相は3日午前、記者団に「救助犬を2倍以上に増強するなど、人命第一で救命救助に全力を尽くしている」と語った。同日、自衛隊の現地人員は1000人ほどから2000人規模に増強した。消防は2000人、警察は740人が全国から集まって活動した。
首相は家屋やビルの倒壊現場での救助に必要な大型重機の搬入に関し、寸断された道路の開通が進んでいると説明し「一部海上ルートによる輸送を開始している」と話した。道路寸断があった石川県輪島市でも中型車の通行は再開したと述べた。
羽田空港で海上保安庁の航空機が日本航空機と衝突した事故をめぐっては「全体として影響は生じていない。現地への様々な物資の輸送は着実に進められている」と説いた。
林芳正官房長官は3日午後の記者会見で「被災地においては天候の悪化、活発な地震活動も予想されている。土砂災害などに十分注意し、引き続き安全第一での行動をお願いしたい」と呼びかけた。
政府はこれに先立つ3日午前、首相官邸で非常災害対策本部の会合を開いた。本部長を務める首相は「時間との勝負であることを十分に念頭に置き、救命救助活動に全力を尽くしてほしい」と指示した。
被災者の避難所での滞在が長期にわたる可能性を指摘し「必要な物資の確保、電力や水道などのインフラの復旧に全力をあげるようお願いする」と強調した。
会合は林長官や松村祥史防災相ら関係閣僚が出席した。
生存率が急激に低下する発生72時間が迫り、救助活動が重要となる。
2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生。気象庁は約4時間にわたり大津波警報を発令し、日本海側の広い範囲に津波が到達しました。各地の被害状況など最新ニュースをお届けします。
関連企業・業界