絶滅の恐れがあるとされるニッポンハナダカバチが、三重県名張市内の小学校の砂場に穴を掘って営巣しているのが見つかった。野生動植物を調査する県の担当者は「校庭に作った例は聞いたことがない」と驚いている。攻撃性がないハチのため、学校は観察会を開いたり、砂場の使用を控えたりして見守っている。
砂地に前脚で直径1センチ前後の穴を掘って巣を作るのが特徴。寿命は約1カ月と短く、6〜7月にかけて巣の周辺を飛び交うなどの繁殖行動が見られる。近年、繁殖地の減少などから絶滅が危惧される昆虫の一種としてレッドデータブックに記載されており、環境省は絶滅危惧2類、県は1ランク上の絶滅危惧1B類に指定している。
営巣しているのは同市薦生の市立薦原小学校(112人)。3年前に児童が巣を発見し、通報を受けた地元の環境団体「伊賀自然の会」が調査し、ニッポンハナダカバチと判明した。谷戸実校長は「珍しいハチとは知らず、駆除するところだった」と振り返る。
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