曼荼羅華(まんだらげ)
2015/09/30 Wed
エンジェルトランペット (散歩道:神奈川県横須賀市 2015.9.23)
曼荼羅華ヒンズー僧の髭長し /むく
(まんだらげ ひんずーそうのひげながし)
旧詠(インド)。
私が俳句を始めたのは2001年の1月。
始めてすぐにインドに行くことになりました。
季節感が日本とは全く違う国。
さて、俳句をどう詠めばいいんだろう?
と途方に暮れて、当時俳句の手ほどきをお願いしていたYさんに相談しました。
「ぜんぶ夏の句にしてもいいんじゃない?」
そうか、そういう手もあるか…と納得して気が楽になったものです。
私が滞在したのは北インドでしたが、確かに一年中夏のような気候でした。
インドは北半球に位置しており、最南端でもまだ赤道より北になります。
しかし、赤道付近よりも北回帰線に近い地方のほうが遥かに暑くなります。
赤道近くは湿度が高く蒸し暑さはありますが、気温そのものはそれほど高くなく、また年間の寒暖の差も小さいんですね。
長くいるうちにそれなりに季節の変化を感じるようになり、冬の句を作ったこともあります。
春や秋の句は作った覚えがありません。
カシミール地方だとかヒマラヤ近辺に行けば春や秋の実感もあったかもしれませんが。
掲句はヒンズーの修行僧がいる山に登った時に詠んだもので、山頂の風がとても涼しかったことを覚えています。
曼荼羅華はチョウセンアサガオのことで、エンジェルトランペットとは厳密には少し種類の異なる花のようです。
でも俳句を詠む上では、あえて区別する必要もないように思います。
この花を季語(晩夏)としている歳時記にしたがって詠んだものですが、曼荼羅華にしてもエンジェルトランペットにしても、季語としての定着度は低いと言ってよいでしょう。
テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術