MAKE YOURSELF COMFORTABLE ~まあおたいらに~Make Yoursef At Home - Haiku Blog of Muku Watanabe | 渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~ 2022年07月 <

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背伸びして滅びし世あり豆桜

夏のれん

2022/07/31 Sun


  五時前の後ろめたさや夏のれん /むく

     (ごじまえのうしろめたさや なつのれん)



  善悪の基準の五時や夏のれん /むく

     (ぜんあくのきじゅんのごじや なつのれん)



  逢魔時靡かうものに夏のれん /むく

     (おうまがとき なびこうものになつのれん)



  心して潜る結界夏のれん /むく

     (こころしてくぐるけっかい なつのれん)



  駅へ急ぐ脚美しき夏のれん /むく

     (えきへいそぐあしうつくしき なつのれん)



  混み合へばダークダックス夏のれん /むく

     (こみあえばだーくだっくす なつのれん)



  夏のれん外に出でてまだ日影濃し /むく

     (なつのれん とにいでてまだひかげこし)



  夏のれん一つの消えて早や二年 /むく

     (なつのれん ひとつのきえてはやにねん)




 景色

 夏のれんの駄句をたくさん書いたので、いつもの雑文は無しにして、菜園に行ったついでに撮った今朝の中井中央公園の写真を。


 七月富士 (2022.07.30 中井中央公園:神奈川県足柄上郡)


 菜園は公園のグラウンドの右隣にあります。
 太陽が富士山の真上に沈むダイヤモンド富士や、月が富士山の真上に沈むパール富士の写真を撮る人が大勢訪れる場所です。
 富士山の左手前に見えるおむすび形の山は矢倉岳(標高870m)。



 I Fuji (2022.07.30 中井中央公園:神奈川県足柄上郡)


 こんなスポットもあります。
 ハートからはみ出している左端の山は金時山(標高1,212m)。
 二度登りました。
 富士山絶景スポットの一つです。



 望遠で (2022.07.30 中井中央公園:神奈川県足柄上郡)


 ここから富士山山頂までは直線距離で約50km。
 富士山はやはり冬場が美しい。
 遠富士となればなおさら。
 これから秋に向かって空気が澄んできますから楽しみです。

 景色とは、それぞれの人がそれぞれの心で見た時に、その人の心に映る過去現在未来の一切の事物かと。
 いつも佳い景色が見られるように、心のレンズを磨いてゆきたいものです。



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月見草

2022/07/30 Sat


  繊細なペン字の碑文月見草 /むく

     (せんさいなぺんじのひぶん つきみそう)



  富士山の見えぬところに月見草 /むく

     (ふじさんのみえぬところに つきみそう)




 井伏鱒二らが御坂峠に建立した太宰治追悼碑
(2019.4.20 富士河口湖町:山梨県)



 月見草 (2022.07.28)


 御坂峠

 特にファンという訳ではないが、 『富岳百景』を始め太宰治の小説は多く読んだ。
 その太宰の墓は三鷹市の禅林寺にある。
 その名のごとく黄檗宗の禅院である。

 禅林寺をはじめて訪ねたのは高校生時代。
 文芸部の仲間たちと文学散歩に行った時である。
 禅林寺には、墓石に「森林太郎墓」とだけ刻まれた森鴎外の墓や、太宰の後を追うようにして自殺した作家田中英光の墓もある。
 
 十年ほどして叔父がその禅林寺で祖母の弔いをすることになるとは、その時は思いもしなかった。
 叔父が禅林寺を選んだのは、自身が禅に傾倒していたことと、住居のある吉祥寺から近いことが理由だったろう。
 故郷岩手に葬ってもお詣りに行けない、と。

 御坂峠の太宰治碑には、「富士には月見草がよく似合ふ」という『富岳百景』の有名な一節が刻まれている。
 私が訪れたのは辛夷(こぶし)の花が咲いている頃で、碑(いしぶみ)には木五倍子(きぶし)の花が垂れ下がっていた。

 二句は木五倍子の花を月見草に変えて焼き直したようなもの。
 やっぱり太宰には月見草がよく似合うと思うので。



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烏瓜の花 / 風は秋

2022/07/29 Fri


  かはたれに口閉ぢ烏瓜の花 /むく

     (かわたれにくちとじ からすうりのはな)



  富士見ゆる丘の菜園風は秋 /むく

     (ふじみゆるおかのさいえん かぜはあき)



 菜園の傍の「海の風」。伊豆七島も見える。 (2022.07.28 中井町:神奈川県足柄上郡)



 「海の風」からの富士山 (2022.07.28)



 夜咲いて早朝には閉じてしまう烏瓜の花 (2022.07.28)



 フェンネルの花咲く菜園から望む丹沢山塊。右端が信仰の山「大山」。 (2022.07.28)


 かわたれ(彼誰)

 駄句ながら。

 明け方のことを 「彼は誰時」(かわたれどき)と言う。
 「彼は誰」はその略。
 夕暮れを指す「誰そ彼」(たそがれ)に対する言葉。

 早朝、カラスウリの花とマツヨイグサの花と、どちらが先に閉じるのかな?と思って両方見てみた。
 断言はできないが、カラスウリの花のほうが早く閉じる気がした。



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山登り / 夏山 / 土用波

2022/07/28 Thu


  山登る青鳩のまたあをと鳴く /むく

     (やまのぼる あおばとのまたあおとなく)



  夏山に侘しき声ぞ青鳩は /むく

     (なつやまにわびしきこえぞ あおばとは)



  青鳩を攫はむばかり土用波 /むく

     (あおばとをさらわんばかり どようなみ)



 山登り (ストック写真)


 青鳩

 青鳩を夏の季語としている歳時記もある。
 確かに、声は夏にしか聞いたことがない。
 留鳥なので、居るところには一年中居るに違いないが。

 海へは海水の塩分の補給に行くと考えられているようだ。
 温泉地に棲む青鳩は温泉水で塩分を補給出来るからか、海へは行かないらしい。

 近くの大磯海岸には、蒼鳩が群れて海の水を飲みに来る岩礁(いくり)がある。
 群れて行動するのは、隼などの天敵から身を守るためらしい。

 大磯にも遠くない私が住む丘の上の空を隼が過(よぎ)る時、青鳩を襲いに行くつもりか、と思ったりする。



 大磯町照ヶ崎海岸の青鳩 (ストック写真)



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百日紅

2022/07/27 Wed


  さるすべり赤児泣くからひと雨来い /むく

     (さるすべり あかごなくからひとあめこい)



  百日紅わたくし雨の城ヶ島 /むく

     (さるすべり わたくしあめのじょうがしま)



 さるすべり (ストック写真)


 百日紅

 嬉しいことがあった。
 私が初めて俳句の手ほどきを受けた大先輩からの思いがけないLINE電話。
 私が俳句を始めた頃の恩師から。
 今も絶対服従せざるを得ないと私淑している人…というよりは、敬愛する姉。

 お元気そうな声に、安堵した。
 その姉も私も、二年ほどの間、ブログを更新しないままだった。
 先日は、私のブログに彼女が書き込みをしてくれた夢を見て目が覚めた。
 やっぱり夢だった。

 弟が姉に心配をかけてはいけない…と思っていたところだった。
 最近は、もっぱらフェイスブック俳句を楽しんでいらっしゃるという。
 私もそうすることになった。
 ブログのように落ち着けない気がして、フェイスブックは敬遠してきたのだが。


 俳句「ににん」2021年冬号vol.81 創刊20周年記念号Ⅱ寄稿

 同前悠久子の俳句

 賢姉愚弟
                    渡邊むく(無所属)

 『ににん』の皆様、二十周年おめでとうございます。この慶賀の誌面を穢す栄に浴し、身に余る光栄に存じます。お招きくださった同前悠久子さん(以後お名前でお呼びします)は、愚生の俳句の恩師であります。二十年前、WEBで四季の写真サイトを運営している方から「俳句に興味をお持ちなら」とご推奨いただき、押掛けて末弟子にして頂いたのでした。以来三年に亘って、悠久子さんには「いろは」から俳句を手ほどきして頂きました。
  まろまろと現れし猫三日はや
 この「まろまろ」、「むくむく」では品がよろしくないのでそう詠まれたのでしょう。愚生が悠久子さんの前にぬっと現れた日が思い出されます。五十歳を過ぎた当時の愚生は技術英語通訳として国内外の旅に明け暮れておりました。「年中暑いインドへ行きます。どう俳句を詠んだらいいでしょう?」とお訊ねすると「一年じゅう夏の句でいいんじゃない」とあっさり。また名月前後の月の移ろいを毎日詠むという課題をいただき、夜な夜な呻吟したことも懐かしい思い出です。顧みますとその頃が俳句を一番熱心に学んだ期間だったように思います。
 悠久子さんは早くから俳句WEBサイトを運営して来られました。そのサイトのゲスト欄は多士済々で、まことに華やかなサロンでございました。愚生も句や旅便りを書き込ませて頂いていましたが、いつまでも顔のない幽霊では失礼と、岡崎に悠久子さんをお訪ね致しました。鬼武孝江さんにお目にかかったのもその折で、奇しき縁でございます。岡崎へはその後も何度かお訪ねし、悠久子さんのご主人様にもご厚誼をいただきました。
  しばらくはいいわよだつて夏だもの
 悠久子さんらしくしなやか。心の寛い悠久子さんには実の姉のように甘えて参りました(こんな愚弟には覚えがありませんと言われそうですが)。生きる悩みを抱えていた時に厳しく叱咤して頂いた忘れられない思い出もあります。悠久子さんが『ににん』に参加された頃の或る日、「これからは男の先生に習ってはどうかしら」と助言をいただき、生涯の師を求める旅に出ました。
  あの猫は何処へ行きしか寒の雨
 野良猫となってもやはり姉のことは気になります。以来『ににん』のWEBサイトをときどき覗かせていただくようになりました。その後、愚生は故高田風人子先生主宰の『惜春』の門を叩き、風人子先生亡き後は後継誌『雛』で福神規子先生のご指導を仰いでおります。
  やまぶきや猫ゆつたりと歩く朝
 俳句という四季を讃えて生を愛づる素晴らしい世界に導いてくださった悠久子さんに改めて感謝申し上げますとともに、『ににん』の更なる発展と皆々様のご健勝を祈念申し上げます。

                          (神奈川県秦野市在住・俳人協会会員)


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瓜 / 夏野菜

2022/07/26 Tue


  瓜若し烏に食はれたくはなし /むく

     (うりわかし からすにくわれたくはなし)



  夏野菜百花園めく妻の畑 /むく

     (なつやさい ひゃっかえんめくつまのはた)



 


 まくわうり (2022.07.25)


 妻の菜園

 ガンコちゃんが今年新たに借りた菜園に、私は行かないことにしている。
 まあ、好きなようにやれば、と。

 今日初めて、その菜園に行った。
 トマトやナスなどとともに、まだ青い甜瓜(まくわうり)を二つ、摘んできた。
 烏に食べさせるよりは糠漬にでもしたほうが、と。
 余計なお世話ではある。



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ひまわり

2022/07/25 Mon


  ひまはりやウクライナへと急く列車 /むく

     (ひまわりや うくらいなへとせくれっしゃ)



  ひまはりや性善説を疑はず /むく

     (ひまわりや せいぜんせつをうたがわず)



 


 ひまわり (2018.08.05 山中湖花の都公園:山梨県)


 ひまわり

 二つの句の間に関係は全くない。
 直接には。
 一句のひまわりは、一九七〇年に公開されたイタリア映画の名作『ひまわり』を思い出して詠んだ。
 トルコの景を詠んだ旧詠を焼き直して。

 地平線までひまわり畑が続いていた映画『ひまわり』の印象的なシーン。
 映画の冒頭のクレジットには、その撮影地について、「撮影協力:USSR(ソビエト連邦)」とあった。

 いつの頃からか、あの広大なひまわり畑の撮影地はウクライナのどこかではないか、と思うようになった。
 そして、あの映画を観てそう思った人が多かったことや、それが事実であることを旧ソビエト連邦政府も認めていたことを、最近になって知った。
 ウクライナは旧ソビエト連邦領の一部であった。

 つい先日、
NHK鹿児島放送局のウェブサイトで、映画の撮影地は現在のウクライナ国内のチェルニチー・ヤール村であったらしいことを知った。
 信頼できる記事かと思う。

 ウクライナをはじめ、周辺のロシア、ルーマニア、ブルガリア、さらにはトルコなどの一帯は、ヒマワリの栽培が盛ん。
 食用油を採るために栽培されている。
 ヨーロッパ中北部では、世界の他地域と比べてヒマワリ油をサラダ油として使う割合が高い。
 南ヨーロッパになるとオリーブ油も多いが。
 他の植物油もいろいろ使われるが、ヒマワリ油は、少なくともヨーロッパ中北部を象徴する食用油の一つである。

 そうした地域の人々にとって、広大なヒマワリ畑の景色は、いわば郷愁を誘う景色なのではないだろうか、と思う。
 日本人にとっては、かつての菜の花畑が今でもそうであるように。

 ウクライナ国旗の青と黄色が何を象徴したものなのか、その由来を私は知らない。
 が、夏の青空と一面のヒマワリ畑のようにも、私には思える。

  『ひまわり』、何回見ても泣ける映画だ。
 もう一度観て、泣かされたくなった。


 映画『ひまわり50周年HDレストア版』予告


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冷酒

2022/07/24 Sun


    冷酒酌む「ベンガルさん」とあだ名され /むく

         (れいしゅくむ べんがるさんとあだなされ)



    冷酒酌む「うすものの君」などと呼び /むく

         (れいしゅくむ うすもののきみなどとよび)



    あだ名つけられるは嬉し冷酒酌む /むく

         (あだなつけられるはうれし れいしゅくむ)



    冷酒酌む妻には言へぬこと一つ /むく

         (れいしゅくむ つまにはいえぬことひとつ)



 


 夏富士 (2016.07.10 静岡県御殿場市)


 冷酒

 句は酒興の戯れ歌。

 ふた昔前、通い始めた近くの小料理屋のカウンターで、ある日、羅を羽織ったご婦人と隣り合わせた。
 お歳は私より一回りは上とお見かけした。
 キープしていた酒を、女将が冷酒用の酒器に注いで彼女の前に置いた。
 酒は越後の銘酒『〆張鶴』。

 「純米吟醸の〆張鶴、佳いお酒ですね。」
 「私、これしか飲まないの。
 初めてこの店に来た時に、〆張鶴を置いてくれるんだったら常連になってあげるって言ったのよ。」

 お近づきの印にと冷酒グラスで一杯、私も頂戴した。
 すっきりとした口当たりで、さすがに非の打ちどころがない。
 「上善水の如しとはこういう酒のことを言うのかなと思います。」
 「私、たくさんは飲めないから、少し水で薄めていただくの。」
 うんうん、ご婦人であればそれもありでしょう、と思う。

 お話を伺えば、かつて東京の有名料亭の女将だったという。
 道理で酒の好みも和服の着こなしもあか抜けていらっしゃる訳だ、と納得。

 私が頻繁にインドに行っていることを話したところ、「ベンガルの虎」と呼ばれたインド独立運動の闘士のことに話が及んだ。
 若かりし日、そのご婦人もインドからヨーロッパまで、半年間ほど独りで旅をしたという。
 昭和もまだ三十年代の頃かと思う。
 その時代に若い女性が独りで半年も海外旅行をするのは、かなり珍しいことだったに違いない。

 「ベンガルさん」、「うすものの君」と呼びふざけて、話は大いに盛り上がった。
 そろそろ腰を上げようという頃合いを見て、六、七人いた常連客に向かって彼女が言った。
 「皆さん、聞いて下さい。
 わたし、このベンガルさんを恋人に決めました。」
 まさに穴があったら入りたい心境だった。

 それからも、「うすものの君」とは同じ小料理屋で何度か一緒になった。
 何度目かの時、入院しておられた彼女のご主人と、退院祝いにとお揃いで来られた。
 「あなたがベンガルさんですか。
 病院で、いつも家内から話を聞いておりました。
 俳句をなさるそうですね。
 で最近、どんな句をお詠みになりましたか?」

 「うすものの君」のご主人は、駆け出しの私など足元にも及ばない立派な俳歴をお持ちの大先輩だった。
 ほどなく私が転居することになって、残念ながらお二人にお会いすることはなくなった。



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炎天

2022/07/23 Sat


    華氏摂氏換算苦戦炎天下 /むく

         (かしせっしかんざんくせん えんてんか)





 近所の直売所で4百円で買った夏野菜 (2022.07.10)


 華氏温度

 外国、たとえばアメリカでは、気温が華氏で表示される。
 摂氏温度にしか慣れていない日本人は、はじめはピンとこなくて戸惑う。

 六月のラスベガスの、とりわけ暑い日の日中にジョギングをしたことがある。
 通りの気温表示計を見ると108度とある。

 走りながら簡易換算法で暗算して、華氏温度(°F)を摂氏温度(℃)に直した。
 (108-30)÷2×1.1=42.9(℃)。
 つまり、簡易暗算式は、(華氏温度―30)÷2✕1.1=摂氏温度。

 予想以上に高い温度に、一瞬、計算をまちがえたかと思った。
 内陸は湿度が低いのでそれほど暑く感じなかった、ということらしい。

 暗算も利くこの簡易計算式の精密な換算と比べた誤差は、あっても1℃程度。
 実用には十分なので、アメリカに旅行される場合などにはご活用あれ。

 ラスベガスには仕事で滞在した。
 カジノで一攫千金を狙ったわけではない。
 一週間滞在して、ルーレットで百ドル損をしたが。



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ラムネ

2022/07/22 Fri


    ラムネ抜く竜宮行きのバスを待ち /むく

         (らむねぬく りゅうぐうゆきのばすをまち)





 ラムネの絵歌留多(新聞コラージュ):ガンコちゃん作


 竜宮

 かつて風人子先生選として『惜春』に掲載していただいた句、「ラムネ抜く竜宮といふ停留所」を推敲した。
 良くなったかどうかは分からない。
 「自分の句がいちばん分からない」とは、先生がいつも言っておられた言葉。
 ある年の七月盆のときに、母が眠る霊園で詠んだ。
 お詣りの人がたくさん来るお盆には、かき氷や冷たい飲み物の接待もある公園墓地。
 母を偲びながらラムネを飲んでいると、幼き日に思いが巡った。

 物心がついて初めて母の実家で過ごした幼なの頃の夏。
 山仕事用の鋸の目を立て、叔父がその金屑で線香花火を作ってくれたこと。
 林檎園のいい匂いがする道を蜩の声に包まれて、叔母の家まで二人の従姉妹たちと歩いたこと。
 叔母の家の近くの朝霧が立つ川瀬の向こうの森から郭公の声が谺していたこと。
 母の実家に戻り、両手をいっぱいに広げて「オバちゃんの家でこーんなに大きな胡瓜を食べたよ」と言って、祖父母や叔父夫婦の失笑を買ったこと。
 「オバちゃん、いそがすくてもげねがら、そったら大っきぐなったんだべな。」
 あとで叔母が「げーねじゃ(いやだ、恥ずかしい)」と言った時のこと。

 就学してからも幾度となく過ごした母の実家での夏休み。
 けっこう遠かった記憶のある、バス停の「竜宮」。
 調べたてみたら、今でもあった。
 私が「竜宮」と覚えていたバス停の本当の名前は、「竜宮一」だった。
 傍にあった食料品店は今はなく、私の竜宮は夢の痕になった。



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プロフィール

Muku Watanabe-渡邊むく

Author:Muku Watanabe-渡邊むく
英語通訳業はほぼ自主引退。愛妻と二人で神奈川県秦野市でスローライフしています。山中湖の別宅で野鳥観察三昧に耽ったり。俳句のことに限らず、お気軽にコメントをくださると励みになります。

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