統括理事会
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「とある魔術の禁書目録の登場人物」の記事における「統括理事会」の解説
アレイスター=クロウリー(Aleister=Crowley) 声 - 関俊彦 学園都市統括理事会理事長。学園都市の最高権力者。元世界最高最強の魔術師にして現世界最高の科学者。 窓もドアもないビルの中、緑色の手術衣を着て、赤い液体に満たされた巨大な円筒器に逆さまで浸かっている「人間」。作中では「男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える」と描写される。生命活動を全て機械によって補い、計算上は1700年の寿命を持つ。肉体はほぼ仮死状態に近く、思考の大半も機械で補っている。基本的に生命維持装置から出ることはなく、外から情報を得て指令を出すだけだが、その気になれば出ることもできる。 公には明らかにされていないが、その正体は20世紀最高にして最低の魔術師と言われた「アレイスター=クロウリー」(実在の人物で、本名はエドワード=アレクサンダー=クロウリー)その人。魔術サイドでは新約聖書に名前が載るレベルの有名人であり、アレイスターの活動したわずか70年ほどで数千年を超える魔術師の歴史が塗り替えられたとまで言われ、現在の魔術師の2割がアレイスターの亜流、何らかの影響を受けている者ならば5割に届くとされており、今でもmagick系魔術師への対策機関が存在している。「法の書」「トートタロット」などの魔道書を記した魔導師でもあり、名実共に魔術師の頂点に君臨していた。魔法名はBeast666。現実の魔術師達の間ではタブーだった血の供物、すなわち「生体を材料にした実験」を率先して肯定していた異端者でもあり、イシス、オシリス、ホルスの時代(アイオーン)という概念を提唱した事でも知られる。 力を信奉するが、何が起きても結果として一つの大きな流れを導けるなら同じ事だと考えるので、善悪・正負・成否の区別をつけずに目的の達成のためならば躊躇なく手を伸ばし、合理と効率を重視する性格。失敗することや妨害を受けることが当然と考えているため、失敗を織り込んだ「計画」を立てて行動しており、挫折し失敗しても構わないという考えからトラウマを乗り越えるつもりがなく、強い憎悪や嫌悪から目的を達成するための力を得ようとする。個々の人があるべき振る舞いを行う場合に限り世界に無駄はなく、全ての物事が絡み合って組み上げられているという事を説明した、「全ての男女は星である」という言葉でも知られる。また、魔術と知り合う前は科学的興味を追求し、諸々の迷信を実験と観察という具体的行動によって証明しなければ気が済まない人間であり、元々科学的という言葉を「霊的、物的を問わず、美しく順序立てて因果を説明できるもの」としてポジティブに使っていた。 若いころは中世的な美貌とカリスマ性から割とモテて、生涯で数回の結婚を行い、何人も愛人がいたが、その一方で上条から「ド変態クソ野郎」と評されるほどに性的にフリーダムな変人でもあった。周囲の寛容や理解を気にしない性格だが、過去に「規格外の悪人」「変態」「食人鬼」として糾弾され、国外退去処分を下されたことからイギリスという国に対して隔意を抱いている。倫理が壊れているため、1秒前に自分が言った約束でも忘れてしまう。良くできるのに周りがそれを評価してくれないため自信がなく、正しいものを正しい場所に置くために地均ししたいと思っており、他人と比較して自分を優位に置かなければ安定できないので口が悪い。財力をはじめとする全てを得ていながら、「理解者」となる存在や愛情を得ることができず、「黄金」に優れた人材を集めたメイザースに対して羨望を抱いていた。また、求めれば求めるほど遠ざかるのに、どうしても寄り添っているとしか思えない「奇跡」の存在を知るが故に、神様のことをひどく嫌っている。 幼少期に親や教師から受けた仕打ちがもとで不完全な世界に失望し、自らが完全な世界を作ることを夢見て「黄金夜明」に入る。しかし、「黄金」の魔術が位相の衝突を生み、その結果として世界に無用の不幸を生み出し続け、それに巻き込まれてこれから生まれる娘が「不幸」にも病で死ぬことを知り、世界の日向の部分に悲劇が溢れ返り、これから生まれる命がすでに偶発の死に堰き止められているという悲劇が埋もれてしまう事、そして、それを誰もが仕方がないと諦めてしまう事に憤り、「黄金」への復讐を開始。1900年に「ブライスロードの戦い」を引き起こし、究極の追儺霊装「幻想殺し」を盗み出して「黄金」を壊滅させた。だがそこで止まらず、「この世界にある全ての位相を絶滅させ、位相に振り回されて不幸になる人を二度と出さない世界にして見せる」という信念により魔術を絶滅させることを誓う。一方で魔術の反動の危険性を熟知しながらも、自らの手でグローバルリスクを掌握するため、「『黄金』の壊滅と共に資料流出した」という体裁で近代西洋魔術を全世界へ拡散させる。しかし、「黄金」全体にかけた「以降の人生全ての選択肢は失敗に終わる」という呪いのため、長女の誕生を最後に転落人生を送る事となり、予言の通り4年後に産まれた娘は生後間もなく死亡、「全ての可能性が摘み取られた」苦難の道を歩む事になる。1920年代にはイタリアのシチリア島にて新たな魔術結社「テレマ僧院」を興すが、「たった一つのアクシデント」により崩壊している。 現在の最大の目的は「全ての位相を破壊すること」で、奇跡になり損ねた飛沫から人々を助け出し、神頼みや天罰などに左右されない、個々人が積み上げた成果だけが返る世界を築くことであり、オティヌスの見解では宗教によらない科学の世界を直接扱うためにエイワスの力を利用する予定らしい。その詳細は不明だが、「エイワス」や「虚数学区・五行機関」の制御や利用を土台にして「計画」の達成のために行動しているらしく、学園都市中にばら撒いた「滞空回線」で、学園都市内の情報を細かく把握し、その他の組織との微妙なパワーバランスを操るなど、常に何らかの計算を行っている。上条の存在や、一方通行の「絶対能力進化実験」およびそれの頓挫なども想定範囲内に納め、修正、調整によって「計画」自体に大きな影響はないとしているが、度重なるイレギュラーや第三次世界大戦の影響で「計画」に大きな誤差が生じているようである。「計画」のために多大な犠牲をもいとわないが、その一方で甘さを捨てきれない部分もあり、自分の行いが魔神たちのものと変わらないことに苦悩することもある。 突如として魔術を捨て科学に奔ったため、魔術サイドからは魔術史上最大の侮辱として全世界の魔術師を敵に回すことになった。その後、魔術師討伐組織に追われ、ボロ布同然になっていたところを冥土帰しに助けられ、史実同様1947年に死亡したことにして予てから興味のあった日本へ移住、彼の助力もあって失われた「幻想殺し」を活躍させ、発見するための舞台として学園都市を創設することとなる。今でも本名の「アレイスター=クロウリー」を名乗っているが、同時に誤情報も流し、機械によって魔術的探査からも逃れているため、一般には魔術師アレイスターと同姓同名の別人か、名を騙った偽者と思われている。 魔術潰しにかける執着を正しく回せば「魔神」になれた可能性もあったというが、魔術師とは違うものを統べるため、「魔神」にならないように自分自身を調整している。師アラン=ベネットが得意とした「霊的蹴たぐり」やその補助術式「衝撃の杖(ブラスティングロッド)」を扱い、病に対する武器という扱いで医療機器・検査機器までイメージさせられる。近代西洋魔術を組上げて再配布した存在であるため、自身の理論が根底にある技術体系全般に対して介入を行うことができ、魔術基礎の国際共通規格を巡ってしのぎを削ったウェストコットやメイザース級の独自性を保った魔術師か、真正の「魔神」ほどに飛び抜けた存在でなければ、魔術の分野で出し抜くことは不可能。ただし自身の構築したフィルターを介さない太古の技法による神秘であれば殺すことが可能で、1947年にはこの方法で敗北を喫している。自分自身で行使した魔術に限定されるが、位相の衝突で生じる火花や飛沫のしわ寄せを恣意的に操作する技術を編み出しているほか、自身の魔術の金字塔の一つである他人の呪いの方向性を変更する「アブラ・クアタブラ」の呪詛返しを使い、自らが魔力を練ることなく探知を躱して対象を魔術的に攻撃することが可能。「幻想殺し」への対策の1つで、敵に刺した召喚儀礼を先導するための闇色の魔術剣を媒体として、仏教の業(カルマ)の概念を用い、透明な血肉を纏った虹色の光を発する鎖の骨格と歯車と手錠によって構成される怪物「業の獣」を生み出し、これを破壊させて靄のような「殺生のカルマ」を負わせる。鎖は人の業に手を伸ばして背中を押す山の魔性、歯車は男性原理の太陽、手錠は女性原理の輪を象徴し、普通の物理的な攻撃では殺せず、ガラスの柱で分解できる光の色を回し、手錠が停滞、歯車が加速を示す事で、人の心に働きかけて頭に浮かぶ配色を変え、イメージに色彩を挟む魔術を暴走させる事ができるため、基本的に「幻想殺し」でしか対処できないが、倒す度に雪だるま式にカルマが膨らんで効力は強く分厚くなっていく。生み出せる「枠」は1対2人までで、追跡不可能になった古い個体は自ら形を失って「ストック」を増やす。加えて魔術剣もそのままでは苦痛のような自覚症状はないが、「幻想殺し」で破壊される事を前提に組み上げられ、ガラス細工でできたジグソーパズルのような性質を持つので、砕くと欠片が飛び散って体の内側から傷付ける陰湿なトラップになっている。単独で魔神にも通用するだけの技量を持つが普段は魔術を封じており、自らが決めた生き方を貫く場合、癒した肉体を副作用で傷つけるという破滅的な循環となるため、自分に対する回復魔術は使用できない。 さらに今日の「科学サイド」と「魔術サイド」という枠組みそのものを作り出した存在であるため、人間の好悪も善悪も切り分ける「原形制御(アーキタイプコントローラ)」により、その人間の特性を傾けることで魔術や能力を奪うことができる。恋査の技術を応用する事で、学園都市の隅々まで張り巡らせた人工の神経と血管で全ての能力者と問答無用でリンクし、その力を「窓のないビル」に集約させてエイワスを光臨させる事も可能。ただし、土御門のように魔術と科学の双方に関わる人物には効果が薄い。また、魂に秘めた10億8,309万2,867通りもの可能性を同一の座標にとどめており、ファックスのように自身の可能性を一瞬だけ分化させ瞬間移動させることすら可能とする。学園都市全てを掌握していた経緯から、「書庫」なしでもショッピングセンターの日曜大工だけで次世代兵器を作り上げる科学技術力も持っている。加えて財力の面でも桁違いで、隠し財産を全てかき集めれば、ブリテン・ザ・ハロウィン、第三次世界大戦、デンマーク「魔神」包囲作戦で財政の傾いたEUを丸ごと買収できるとされる。 作中で彼が本人であることを知っている描写があるのは冥土帰しと土御門くらいであったが、第三次世界大戦終戦間際にてロシアにifを1体飛ばし、自らの「計画」を逆算、阻止される可能性を潰すためフィアンマを制裁した際の700秒間をイギリス清教に探知され、生存が確認される。大戦以降はイギリスに対しても完全に連絡を絶っていたが、オティヌスの行為に介入した真のグレムリンメンバーたちが潜む「位相」に侵入し、激情に任せて魔神達と戦闘を開始する。その結果体の3分の1を焼き焦がされるが、肉体の修復を終えあらゆる魔術を撃滅するための闘いを開始する。魔神達が実存世界に現れた際、事前に魔神の一柱であるゾンビを倒し、魔神達の実存世界での活動を可能にする術式に何らかの細工を施し、彼らのパラメーターを操作し、宣戦布告した。僧正を脳幹が倒した直後に上里が「魔神」達を次々と葬っていることを知り、「計画」に支障をきたす上里を排除するために脳幹を捨て石として唯一の成長を促し、自身も安全地帯から外に出る。復讐心から暴走を始めた唯一の行動を黙認し、A.A.A.を鹵獲したことで「計画」の障害となりつつあった美琴を呪詛で昏倒させ、エレメントの一件が終息したところでイギリス清教と繋がりを持つ府蘭の前に姿を現すが、「原形制御」の通用しない多重スパイである土御門に撃たれて一時的に行動不能になる。その翌日、上条たちを「窓のないビル」まで招き入れ自身の半生を伝えたうえで交戦に突入する。エイワスを召喚することで圧倒的優位に立ったかと思えたが、わずかな失敗の積み重ねにより敗北。直後ローラ(コロンゾン)により心臓を「ダモクレスの剣」で破壊され死亡し学園都市を奪われるも、無数の可能性を群体「クロウリーズ・ハザード」として解き放ちイギリス本土を除くイギリス連邦加盟国をすべて制圧する。 これらの群体は、魔術を極めたものからきっぱりと諦めたものまで様々で、ほとんどは人の姿をしておらず、元は同一人物でありながら共闘も不可能。自分なりの責任の取り方として自分の魔術の反動は自分自身で抑え込むため、無数のクロウリーが共存する場所では様々な場所へ反動を押しつけている。また、個体がすり潰されるたびに「血の供犠(ブラッドサイン)」によってデフラグ、効率化が進んでいき、表面上の戦闘能力も向上する。ただ、世界の総人口を10%近く増やしてしまったが、単なる思いつきによる行動だったため、それに伴う食糧・エネルギー問題については一切考えていない。 そのうちの1体は、叡智の聖母ベイバロンをイメージソースとする中学生ぐらいの美少女の姿で上条に接触を図る。5人分のクロウリーを消費して「窓のないビル」ごとコロンゾンを宇宙へ追放した後で、悪魔の置き土産であるA・O・フランキスカに対処するため学園都市内で情報収集を行う。それにより事件の鍵となっている浜面の元へ上条と共に向かい、エイワスによって救い出されていたリリスと再会を果たし、A・O・フランキスカの核であるルビーの結晶を摘出することで府蘭を救う。戦後、敵の本丸である大英帝国を陥落させるため上条等に協力を要請し、「新天地」から帰ってきたコロンゾンに対して「もう一人の娘」を取り戻すことを宣言し、学園都市全体を「西旗」に見立てて「暫定封印」を行う。ウェストミンスター寺院の墓地に埋葬されているはずのメイザースの遺体を手に入れ、それを中継器としてコロンゾンを間接的に操るためイギリス本土へ直接乗り込む。上条を利用してロンドンを覆う三重四色の最結界を解除させ、市内に侵入すると神裂や騎士団長を退けるも、相性差から「クロウリーキラー」として作られたイシス=デメーテルに敗北。上条の助けを借りて「神威混淆」を破壊して目的地へ到達した際に、すでに死んだはずの元「黄金」メンバー全員から未知の攻撃を受けるも、2度の交戦で相手がコロンゾンによってタロットカードから再現された存在だと見抜き、「王室派」を襲撃するメイザースを追跡して空から攻撃を仕掛ける。相打ちになる形で落下した先で自身が結婚式を挙げた小さな教会でオルソラに再会し、彼女との対話を経て大嫌いな十字教の神様の力を借りることを決意、メイザースとの一対一の殴り合いでは意図的に聖痕を作り出すことで空間に莫大な力を満たして「黄金」たちが形を保てないようにして勝利する。メイザースとの決着後、エディンバラ城でメイザース本人の遺体を確保しコロンゾンの制御に成功したかに見えたが、ローラの姿もコロンゾンが作り上げた偽物である事が判明し、安堵した一瞬の隙をつかれ彼女にナイフで刺されて重傷を負う。回復しないまま度重なる戦いを経たことで肉体が限界を迎え、コロンゾンとの戦いの後で遂に立ち上がれないほどに消耗。船内に現れたエイワスとアンナ=シュプリンゲルとの繋がりを知るが、何もできないまま去っていくのを見届け、直後にやって来た一方通行にリリスの乳母をミナに任せるよう頼み、統括理事長としての全権を彼に委譲して息を引き取り、ローラ=スチュアートを止めた功労者として故郷イギリスで国葬されることとなった。 自身も満足して死んでいくつもりだったが、「深淵」を超えるためにコロンゾンと同化した儀式が「中断」していたせいでくたばることにも失敗し、大悪魔が用意した肉の器にアレイスターが入るという人の領域からはみ出した形で生き残ってしまう。そして、コロンゾンの力の象徴であった長い髪を切り落とし、科学と魔術の外にある「第3の領域(バックステージ)」にしばらく潜ることにして、12月25日のオペレーションネーム・ハンドカフスの後で脳幹と合流する。一方通行が捨てた科学技術の「暗い部分」を拾い、翌26日には人の皮下に卵を植え付けるよう変異させた殺人ヤドリバエやガス式水鉄砲に詰めたアレルギー物質を駆使して、ロサンゼルスのR&Cオカルティクス本社ビルにいた重鎮達を惨殺する。29日にはシュプレンゲル嬢のモデルの一人とされるアンナ=キングスフォードの遺体が安置される施設の情報を回収するために一旦学園都市に戻り、脳幹に陽動を任せている間に上条と再会。損得抜きで上条に事件解決をバトンタッチする提案をして断られた後、「ハンドカフス」の決着には関わらずに街を離れる。31日には「彼ら」がミヤシタアークの多国籍レストランに隠していたアンナ=キングスフォードの永久遺体を回収。最先端機械で内臓を置換する事で再起動させ、彼女が捕縛したシュプレンゲル嬢を尋問しアリスの正体を突き止めようとする。 トマス=プラチナバーグ 声 - 村上裕哉 学園都市統括理事会の一人。 理事会では若手で、ゆくゆくはアレイスターの跡を継ごうと考えている成金。 一方通行と「猟犬部隊」の戦いの際に、情報収集のために一方通行に強襲される。その後、一方通行に復讐するため、重体の砂皿緻密を使ってステファニー=ゴージャスパレスを雇おうとする。しかし、万が一のために砂皿の身体に仕込んでいた内臓を停止させる特殊な発信機の存在を彼女に見抜かれた上、それを逆に自身の体内に埋め込まれて死亡した。 親船 最中(おやふね もなか) 声 - 土井美加 学園都市統括理事会の一人。親船素甘の母親。 年齢は50 - 60歳程度。娘からの手作りの贈り物を身に付けるなど、家族想いの女性。 人格者で、理事会の思惑に反して学園都市とローマ正教の全面対決を回避しようとしたり、学園都市の子供達に選挙権を与えようとしたりしている。そのため、他の理事会メンバーには良く思われておらず、潮岸の牽制を受けている。単純に善人というわけでもなく、かつては「平和的な侵略行為」とも称された話術・交渉術に長けた辣腕家であったが、娘を盾にした脅迫を受けてからはその一面を見せることはなくなっていた。 左方のテッラがC文書を使って学園都市に対するデモと暴動を起こした際は、使いたくない拳銃を使って半ば強引に上条に事態の収拾を依頼。また上条への依頼は自身が勝手に行動し、拳銃で上条に脅迫したという名目で、土御門に自身への制裁も依頼。土御門に急所を外して撃たれるという自作自演を演じた後はしばらく身を潜めていたが、10月9日に復帰。暗部組織抗争で「スクール」に命を狙われたが「グループ」に暗殺から救われた。「ドラゴン」を追っていた「グループ」が潮岸に接触しようとした時には彼らに協力し、海原に変装用の皮膚を提供した。 潮岸(しおきし) 声 - 金本涼輔 学園都市統括理事会の一人。 学園都市の軍事技術分野に縄張りを持ち、理事会の中でもかなり暗部に関わる老人。身の安全を第一にすることこそが趣味という感じで用心深い性格。普段から特注の「駆動鎧」を着込み、部下も離反の可能性を考え「杉谷班」と「美濃部班」に分けている。 「ドラゴン」について知っており、また知ろうしている者の暗殺を行っていた。そのため、「ドラゴン」を知ろうとしている「グループ」を消そうとしたが、親船最中の協力を得た彼らに逆に追い詰められる。最中に変装して現れたエツァリに駆動鎧を解体されて武装解除され、同様の術式で美濃部に化けていたテクパトルに刺されて重傷を負い、最終的にエイワスが現出するきっかけとなる。 貝積 継敏(かいづみ つぐとし) 学園都市統括理事会の一人。 自身も学者であるらしい老人。雲川芹亜をブレインとして雇い、この地位にいる。 「原石」に対する扱いなど、理事会のメンバーの中では善人であり、雲川には甘いと評されている。親船と共に平和主義であるが、彼女ほど博愛を貫いているわけではなく、争乱が起きると分かれば、即座に準備して徹底的に抗戦することで生き抜いてきた。雲川を中心とする「実力行使部隊」を抱えている。 生演奏マニアを唸らせようと360度をスピーカーの群れで取り囲むホームシアターを個人的に用意しており、実際素晴らしい音質を実現したが、専用の音楽メディアを用意するのに1曲あたり2000万円ほど消費するので、芹亜や妻娘には呆れられている。 「人的資源」プロジェクトを阻止しようとしていたが、そのために薬味に疎まれ、彼女の策略により逆にプロジェクトの黒幕に仕立て上げられ、誤情報を摑まされた土御門に襲撃される。 薬味 久子(やくみ ひさこ) 学園都市統括理事会の一人。 外見年齢は30歳程だが、実際は70代の女性。医療関係に明るく、自身も第13学区の病院で医師を勤めるという顔を持っている。元々は患者からの信頼も篤い名医であったようだが、いつのころからか木原唯一の知的好奇心を植え付けられており、その結果「人的資源」の事件を引き起こすことに繋がってしまった。 「人的資源」プロジェクトの主導者であり、その目的完遂のためにフレメア殺害を目論み、その障害になる新生「アイテム」を人食ゴキブリを使って襲撃する。襲撃自体には失敗して自らがゴキブリに食われ肉体を失ったが、思考をAIM拡散力場を触媒にした「濃淡コンピュータ」に転移させて目的完遂を図る。しかしフレメアが守られる側ではなく守る側になるという決意を固めたことから、彼女の「人的資源」プロジェクトにおける庇護対象としての価値が霧散し、恋査の機体に叩き込まれたところへ上条の「幻想殺し」を受け脱落した。ゴキブリの群れに意識を移すことで間もなく意識を取り戻したものの、フロイラインによって自らの存在を限界ギリギリまで捕食されることになる。 根丘 則斗(ねおか のりと) 統括理事の一人。年齢は30歳前後で、理事の中ではかなり若い。元レスキューの精鋭で、消火や防災といったセキュリティ関係に強い人物とされる。第15学区にある70階建ての巨大複合ビルダイヤノイドの最上階に居を構え、ヘリ空母の飛行甲板のようになった屋上には複数のVTOL機を個人所有している。 レスキューとして助けてきた被害者達が好奇の目にさらされて苦しんでいるのを見て、誰の目も届かず自分を見つめ直すことのできる場所として「暗部」の必要論を主張する。「暗部」存続派として、オペレーションネーム・ハンドカフスによる「暗部」一掃に抵抗するため、自動投資アルゴリズムが掘り当てた外部勢力であるR&Cオカルティクスから魔術を習得、さらにアシがつかないよう大量にばら撒き迷彩とした。正統な魔術師ではないため、魔法名や「魔神」といった魔術サイドの常識は持たない。12月24日、一方通行への交渉材料として打ち止めの拉致を舞殿に命じるが、上条達の行動により妨害される。拘束された舞殿から漏れた情報を手繰って警備員が自宅に来る事を予測し、彼女を潰すための時間を稼ぐべく、包囲された住居に先んじて放火し負傷を装う事で世間の同情を集めようとしたが、美琴の迅速な行動により失敗。魔術によって上条らの口を封じようとしたが、オティヌスに術式の仕組みを看破され、上条に理想を論じながらも自らが悲劇を生み出す側になっている事を糾弾される。効果の薄れた魔術を捨て、元レスキューの身体能力を活かした接近戦で上条を倒そうとするも、血の目潰しで視界を封じられて殴り倒された。 R&Cオカルティクスで習得した魔術「最小衝突理論」は、フィラメントとして人差し指にも満たない小柄な天使を詰めたガラス容器2本を銃身とする暗殺拳銃型の霊装1対を用い、適当なドイツ語の末尾にelをつけるだけでその場で適当な天使を作り、超常現象を引き起こすという「黄金」の亜流と言える術式。天使崇拝が加熱し聖書に登場しない天使が粗製濫造されたという歴史的事実や、「黄金」が「天使の力」を効率的に扱うため出エジプト記の文字列から天使の名前を自作して切り分けたという伝承を元に、聖化発声の応用で身近な金属を用いて不可視のセフィラを想起し、架空の天使により架空の球体を作り世界のルールを改変する。際限なく広げられるはずの己の想像を金属や元素という現実の枠に納めた堅実な魔術で、ただ単語の端を加工しただけなので効果が低下しており、機械製品で作り出せる艦載兵器の性能しか発揮できず、ストックは総勢4つしか抱えられないので、後から追加して切り替える場合はその名を別枠で切り取らなくてはならないのが欠点であり、奇襲には使えない。 ヴァルアート=シグナル 統括理事の一人。樽のように恰幅が良すぎる男性で、灰色が混ざり始めた黒いひげ面が特徴。統括理事の中でも建設分野を牛耳ることで独自色を出しており、「木原」を始めとする「暗部」の秘密基地を提供するため、地下に穴を掘ったりコンクリートを流している。元々不動産を営んでいたが、オカルトによる風評被害で破産しかけて一家全員自殺しそうになった事があり、曖昧なものを全て潰すために様々な研究に出資している。 オペレーションネーム・ハンドカフスについて、留置場の一方通行に抗議をしに行くが、彼が学園都市の存続を最初から考えていないと知り驚愕する。 亡本 裏蔵(なきもと りぞう) 声 - 田所陽向 学園都市統括理事会の一人。 詳細は「とある科学の一方通行#亡本裏蔵」を参照
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