大阪、商業地伸び率全国1位
近畿2府4県が19日発表した7月1日時点の基準地価は大阪府の商業地の平均変動率が2008年以来5年ぶりに上昇に転じ、他府県の商業地、住宅地も軒並み下落率が鈍化した。大阪市中心部など大規模開発が進む都市部で上昇傾向が表れる一方、人口減少が加速する地方は下落が続く。全体のおよそ3分の2の地点は今回も下落し、地価上昇の波及力は弱い。
商業地は2府4県で上昇149(前年は52)、横ばいが124(同86)、下落が348(同464)。大阪府は上昇地点が66と、下落の54を上回った。平均変動率は1.1%上昇し、伸び率で全国1位。商業地の上昇率の全国上位10地点のうち大阪が6地点を占めた。
市区町村別では、JR大阪駅北側の「うめきた」再開発や高層マンション開発の影響で大阪市北区が6.4%、福島区が5.3%上昇。大阪市以外では御堂筋線の江坂駅周辺が上昇した大阪府吹田市が4.6%、京都市中京区、神戸市灘区がそれぞれ1.7%上昇したのが目立つ。
兵庫県内の商業地で上昇率が2.3%と1位だったのが神戸市灘区にある水道筋商店街。活性化に成功している旧来の商店街だ。再開発の動きはでていないものの、音楽祭など集客イベントなどを通じて地域のにぎわいを引き戻している点が、地価の面でも高く評価された。
住宅地は上昇が293(同120)、横ばい404(同294)、下落1364(同1491)。大阪、滋賀、奈良は上昇地点が前年より倍以上に増え、上昇地点がなかった和歌山県も5地点が上昇した。
市区町村別では神戸市東灘区が2.0%、灘区が1.6%上昇し、京都市では上京区など3区が上昇した。奈良県でも奈良市や生駒市が上昇に転じた。
逆に兵庫県洲本市など前年より下落率が大きくなった地域もある。和歌山県内は那智勝浦町や串本町などで10%超下落した地点もあった。