薬副作用の皮膚障害、2年半で131人死亡 厚労省まとめ
薬の副作用で起きる皮膚障害のうち、症状の重いスティーブンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死(えし)症の死亡報告が、今年1月までの2年半で131人に上ったことが、厚生労働省のまとめで28日までに分かった。
スティーブンス・ジョンソン症候群は唇や目の結膜などに、中毒性表皮壊死症は全身の皮膚の広範囲に、それぞれ発疹などができ、重症化すると多臓器に障害が生じる。厚労省安全対策課によると、これらの皮膚障害は発症の仕組みが不明で、原因とみられる薬の種類も、解熱剤から抗生物質、風邪薬などと幅広い。発生頻度は年間で100万人当たり数人と極めて小さいため、皮膚科の医師でも診断が難しく、治療が遅れて重症化しやすいという。
同課は「初期症状は高熱を伴う発疹。疑ったらすぐに受診して治療してほしい」としている。
09年8月から12年1月の製薬企業からの報告をまとめた。発症は1505人で、このうち約57%は回復、軽快した。死亡の131人には、専門家が因果関係は薄いと評価した事例も含む。
発症の原因と疑われる薬は抗てんかん薬と解熱鎮痛消炎薬、抗生物質がそれぞれ200例を超えた。薬局などで処方箋なしに買える一般用医薬品の風邪薬も54例あった。
09年7月までの3年10カ月の死亡報告は239人。1年当たりでは最近2年半よりも多い。〔共同〕