米で寒波の影響拡大 2千便欠航、原油掘削も停滞
【ニューヨーク=原真子】米国を襲った寒波による影響は7日、中西部から東部の広い範囲に拡大した。南部を含む各地で気温は氷点下となり、最低記録を相次ぎ更新。航空便は2千便以上が欠航、原油の掘削や輸送も停滞するなど経済活動にも支障が出た。ただ、今回の寒さはおおむね峠を越えたとみられ、航空ダイヤは正常に向かい始めている。
この日はニューヨーク市で氷点下16度を記録。各地で例年の平均気温より14~19度低く、例年は温暖な南部のジョージア州アトランタやアラバマ州バーミングハムなどでも氷点下となった。軒並み1月7日の気温としては過去最低の記録を更新した。ロイター通信によると、寒さによるとみられる全米での死者は9人に達した。
米石油最大手のエクソンモービルは寒さにより石油精製が一時的に停止。南部オクラホマ州ではプロパンガスの供給が底をつき、ファリン州知事が非常事態を宣言。無許可の運送業者に対しても急きょ、プロパンガスを輸送することを認める措置を取った。
航空便の欠航は燃料が凍結したり、機材が到着しないなどしたため。このほか、約3千便に遅れが出た。
ニューヨークとボストンの計4国際空港で運航を取りやめていた米格安航空ジェットブルーの旅客カウンターなどでは長時間待たされた客が抗議するなど混乱した。ジェットブルーは7日午前10時(日本時間8日午前0時)に運行を再開した。
ロイター通信は7日、大寒波による生産や消費の低迷で米国経済への影響は計50億ドル(約5250億円)に達するとの民間試算を報じた。
米気象当局などによると、北極圏付近の循環気流が南に張り出したことが今回の大寒波につながった。最低気温が氷点下となる天気はあと2日ほど続くものの、週末にかけては全米で寒さが緩む見込み。