投資家ソロス氏、国際人権団体に84億円寄付
著名投資家のジョージ・ソロス氏(80)は7日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部ニューヨーク)に今後10年間で1億ドル(約84億円)を寄付すると発表した。同氏は慈善家としても有名だが、同氏の非政府組織(NGO)への寄付としては過去最大になる。
景気低迷で米国の寄付活動は停滞している。ギビングUSAファウンデーションなどの集計によると、昨年の寄付総額は約3000億ドルと、前年から4%近く減少。ソロス氏は「幸いにも私は投資で成功した。寄付全体が減っているからこそ私は増やしたい」という。
米誌フォーブスによると、ソロス氏は世界35位の富豪で個人資産は140億ドル。これまでも教育水準の底上げをはじめ、世界の幅広い範囲で寄付を続けてきた。
ヒューマン・ライツ・ウオッチは世界90地域の人権問題を調べ、政策を提言している。寄付金は国際展開に充て、現在37地域の拠点や人員を増やす計画。ソロス氏は人々の自由な発想を促す「開かれた社会」の提唱者として知られる。(ニューヨーク=梶原誠)