アフリカ支援520億円、外相が表明 治安や難民対策
岸田文雄外相は16日、エチオピアのアディスアベバで開会した第5回アフリカ開発会議(TICAD5)閣僚級準備会合で、治安維持対策や難民援助など総額5.5億ドル(約520億円)のアフリカ支援を表明した。外務省が同日発表した。邦人が犠牲になったアルジェリア人質事件を踏まえ、テロとの戦いへの積極姿勢を強調する。
今年度予算から支出する。6月に横浜市で開くTICAD5では民間の貿易・投資の促進を主要議題にする方針で、経済協力の前提となる平和と安定の定着も重視した。
治安維持に必要な人材育成費用などとして、国際機関を通じ西アフリカ地域に約1.9億ドル、ソマリアなど「アフリカの角」地域に約1.4億ドルを拠出。物資や帰還援助など難民支援で南北スーダンなどに約1億ドル、コンゴ民主共和国東部に約8千万ドルを出す。マリ周辺国軍で構成するアフリカ国際マリ支援部隊(AFISMA)の国連信託基金にも、地雷除去などの人道的活動資金として600万ドルを出す。
岸田外相はTICAD5のテーマを「躍動するアフリカと手を携えて」とすることも提案した。閣僚級準備会合ではTICAD5で打ち出す首脳宣言や行動計画を調整。対アフリカ投資の促進策なども議論する。岸田外相は17日、エチオピアなどとの2国間会談も行う予定だ。