ナチス発言、麻生氏が辞任を否定
麻生太郎副総理は2日の閣議後の記者会見で、憲法改正問題に言及する中で戦前のドイツのナチス政権時代を例示した自らの発言を巡り、野党が求めている閣僚辞任や議員辞職を否定した。「ワイマール憲法のところを取り下げると(1日に)申し上げた。憲法改正は落ちついた中で考えるべきだということに関して撤回するつもりはない」とも語った。
麻生氏は7月29日のシンポジウムで憲法改正について、ワイマール憲法下でのナチス政権を引き合いに「手口を学んだらどうか」と発言。国内外から批判が殺到した。
2日の閣議後の記者会見では閣僚から発言が相次いだ。公明党の太田昭宏国土交通相は「発言そのものは適切ではない。ナチスの問題は悪夢とも言うべきセンシティブな問題だ」と批判した。甘利明経済財政・再生相は「本人の思いと違うニュアンスでリリースされた。しっかり説明して誤解を解いていくことだ」と求めた。
岸田文雄外相は「こうした発言が外交問題化、政治問題化しないよう努力しないといけない。我が国の姿勢をしっかり説明していきたい」と強調。菅義偉官房長官は「閣僚は自らの立場を十分承知し、慎重に誤解されないように発言すべきだ」と求めた。