自民幹事長「集団的自衛権、現行憲法で行使可」
自民党の石破茂幹事長は14日午前のNHK番組で、政府が「保有するが行使できない」と憲法解釈する集団的自衛権について「現行憲法で行使が否定されていると考えておらず行使は論理的に可能だ」と述べた。憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に意欲を示したものだ。公明党の井上義久幹事長は集団的自衛権の行使を認めることに慎重姿勢を示した。
自民党は党憲法改正草案で、集団的自衛権を含む自衛権の明記を掲げつつ、改憲までの措置として、憲法解釈を変更して国家安全保障基本法を制定し、集団的自衛権の行使を可能にする案を参院選公約に盛りこんだ。石破氏は同法案の国会提出時期に関し「国民が望んでいるものをどう優先するかだ」と述べ、世論を踏まえ慎重に判断する考えを示した。
一方、井上氏は「憲法解釈をただちに変える環境にはない」と石破氏と一線を画した。ただ「解釈を変えなければならないような具体的な安全保障環境の変化があれば、連立政権の中で真摯に議論していきたい」と含みも残した。
日本維新の会の橋下徹共同代表は同番組で「国家の安全保障の方向性をきちんと憲法で明確化することが重要だ」と述べ、憲法解釈の変更でなく憲法を改正して集団的自衛権の行使を可能にすべきだと主張した。
民主党の細野豪志幹事長は「集団的自衛権の概念を認めることで、自衛権を行使できる範囲を無限に広げる議論にはついていけない」とし、個別の事案ごとに自衛権の行使の是非を検討すべきだとの立場を強調。みんなの党の江田憲司幹事長も「具体的なケースで議論したうえで政府は判断を法律で国民に示すべきだ」と歩調を合わせた。
生活、共産、社民、みどりの風の各党は集団的自衛権行使容認に否定的な見解を示した。