ほうれい線に効く 顔の筋肉エクササイズ
顔のインナーマッスルを鍛えなければいけない理由
ほうれい線のできる原因は頬(ほお)の筋肉のたるみに加え、頬の筋肉を上部で支える側頭部の筋肉と、下部で支える口元の筋肉の衰えにあります。これらの筋肉が柔軟性や張りを失うために、頬の筋肉を支えられなくなり、ほうれい線ができるのです。
1回目の「ほうれい線できやすさチェック」で、1つでも当てはまる項目があった人は注意。できるだけ早く、ほうれい線の改善・予防の手を打ちましょう。
まず、顔の筋肉の仕組みを簡単に説明しましょう
顔には、「表情筋」と「深層筋」があります。表情筋とは、その名の示す通り表情を作る筋肉で、皮膚についているものです。一方、深層筋は骨に付いていて深い部分にあります。いわゆるインナーマッスルで、これが表情筋を支えています。
この深層筋は、さらに、血液からの栄養分を運び、老廃物を取り除くポンプの働きをしています。つまり、深層筋が衰えると、表情筋を支えることができなくなり、ほうれい線はもちろん、たるみやしわの原因にもなるのです。また、肌に栄養分が届かず、老廃物がたまったままになるので、くすみやしわもできやすくなってしまいます。
顔の深層筋は2つ。側頭筋と咬(こう)筋です。
3つのチェックで深層筋の衰えを確認
このように、大切な働きを担う深層筋ですが、果たしてあなたの深層筋は衰えていないでしょうか? 以下の3つの項目をチェックしてみてください。
◆Check1 側頭筋を人差し指、中指、薬指の3本の指で押さえ、グリグリ回す
→ 痛い人や固くなっている人は、側頭筋が凝って弱っています
◆Check2 側頭筋に手のひらを当て、押しながら上に引き上げる
→ フェイスラインが上がって顔の形が変わった人は、すでに側頭筋が弱ってたるみ始めている証拠です。
◆Check3 咬筋に手のひらを当て、グリグリ回す
→ 痛い人や固くなっている人は、咬筋が凝って弱っています
いかがですか? 「意外に痛い」と驚いた人もいるのではないでしょうかで? このほか、硬い食べものより軟らかいものの方が好きな人も要注意。深層筋が凝って固くなり、衰えが始まっているのです。
以下では深層筋を若返らせるために、凝りをほぐす筋肉マッサージを紹介します。
・ 1カ所5回程度が目安です
・ マッサージするときには、指を肌の上で滑らせないよう、しっかり押さえてください。指を滑らせると、摩擦で肌を傷めます
・ 顔が冷えているときには効果が薄いので、ある程度温まった状態で行ってください。入浴中や入浴後は、筋肉が温まり柔らかくなっているので、一層効果があります
・ 一度に全部行う必要はありません。衰え度チェックで、ひどく凝っていた部分や、気になる部分を、仕事の合間や休憩時間などに、気軽にもんでみてください
◆A 側頭筋をほぐす
手のひらを側頭部にぐっと押し付け、内から外へと円を描くようにもみほぐします。少しずつ場所を変えてほぐしましょう。
◆B 咬筋をほぐす
人さし指、中指、薬指の3本を咬筋(奥歯をかみしめたときに盛り上がる部分)に当て、内から外へと円を描くようにもみほぐします。少しずつ場所を変えてほぐします。こすると摩擦で皮膚を傷めてしまうので、一か所ずつ、指をしっかり押し付けて回します。デスクの上などに肘をついて固定するとやりやすいでしょう。
◆C エラをほぐす
エラの部分をつまむようにもみほぐします。ここはかむときに力がかかる部分なので、もむと痛むほど凝っている人が多いのですが、ほぐれると痛みもなくなります。
◆D あごのラインをほぐす
人さし指をかぎ型にして、それと親指であごの骨の部分に当てて、つまむようにして揉みほぐします。骨の脇を押すイメージです。骨に沿って、少しずつ場所を変えてほぐしていきます。
◆E 仕上げ
頬に手のひらを当て、内から外へ円を描くように優しくもみます。その後、あご先からこめかみまでのフェイスラインを、手のひらで円を描きながら優しくもみながら移動し、こめかみで頭のほうにぐっと引っ張って止めます。
入浴中や入浴後は、筋肉が温まり柔らかくなっているので、一層効果があります。
全部トライしたい人は、上記の順序で行うとより効果が出ます。続けていると、コリコリと固くなっていた深層筋の凝りがほぐれ、表情筋が整うので、顔がスッキリ締まってくるのが実感できるはずです。
実際に、こうしたマッサージを続けると、確実に効果が得られます。
上の写真は深層筋と表情筋のマッサージをした方のビフォー、アフターです。マッサージを続けると、ほうれい線やたるみだけでなく、肌の血流がよくなるので、しわ、しみ、くすみにも効果があります。
次回は、首とあごのマッサージをご紹介します。
この人に聞きました
1973年1月生まれ。共立女子短期大学卒業後、エステ専門学校・滝川エステティック学院に就職。25歳でcidesco免許を取得後、フリーのエステティシャンとして活動。現在は、フェイスワークスタジオ「ミッショナリー」で、"シワ・たるみの予防解消"を中心としたサービス・商品開発を行い、述べ16万人の女性に表情筋トレーニングを提供している。テレビや雑誌など各メディアで活躍中。
(ライター 芦部洋子)
[nikkei WOMAN Online 2013年2月19日掲載]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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