自転車の信号無視、悪質なら起訴も 東京地検方針
東京地検は21日、信号無視で繰り返し検挙されるなど悪質な自転車運転者に対し、信号無視の違反だけでも道路交通法違反(信号無視)罪で積極的に起訴する方針を明らかにした。信号無視の自転車が絡む交通事故が増えていることを受け、不起訴処分としてきた処分の方針転換は全国初とみられる。
同法は自転車で信号無視をした場合も懲役3月または5万円以下の罰金を科すと定めている。ただ自動車と異なり反則金制度がなく、罰金刑以上の処罰は重すぎるとの判断から、信号無視のみで検挙された運転者に対しては、注意するだけで全て起訴猶予などの不起訴処分としてきた。
今後は自転車でも、大通りでの赤信号無視など悪質な違反が繰り返された場合は積極的に立件を検討する。手続きが簡略化された略式起訴を念頭に置いているが、否認した場合などは正式な裁判を求める公判請求も視野に入れる。
警視庁によると、東京都内では昨年1年間に自転車の信号無視が原因の事故が299件発生。自転車が絡む事故全体に占める割合は9.6%で5年前より1.6ポイント悪化しており、地検は警視庁と協議して運用を改めることを決めた。