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宮城のスギ林で土壌のセシウム濃度上昇 影響長引く恐れ

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東京電力福島第1原子力発電所事故により放射性物質に汚染された宮城県のスギ林で、落ち葉層と土壌の放射性セシウム濃度が時間の経過とともにいずれも上昇していることが15日、県の調査で分かった。葉が落ちてセシウムが土壌に浸透したとみられる。土壌を広く取り除くのは難しく、林業や林産物栽培への影響が長引く恐れがある。

調査は同県丸森町、石巻市で実施した。丸森町で2012年6月に採取した10検体では、落ち葉層の平均セシウム濃度が1キログラム当たり2万6684ベクレル、地下0~10センチの土の層は721ベクレル。13年6月は、それぞれ4万2759ベクレル、3225ベクレルに上昇した。落ち葉層は廃棄物処理の安全基準(1キログラム当たり8千ベクレル)を超える。

石巻市の落ち葉層は13年6月に3611ベクレルとなり前年の1.5倍、土層は2.5倍の620ベクレル。丸森町の調査地は原発から約60キロ、石巻市は約120キロ離れている。

付着したセシウムが雨で流れたり葉が生え替わったりして、落ち葉層の濃度が上昇。落ち葉の分解が進み、土壌に汚染が広がったと推定される。

森林全体で葉が生え替わる5年以上がたてば落ち葉層の濃度が下がる可能性がある一方、地中のセシウムを樹木が吸収し、生態系として循環する懸念もあるという。

林野庁が11、12年に福島県3町村で実施した調査では、土壌の濃度は上昇したものの、落ち葉層の濃度はおおむね低下。宮城県の調査では双方の濃度が大幅に上昇し、異なる傾向が出た。

森林汚染の実態はまだ未解明な部分が多く、宮城県の担当者は「どこまでセシウムが浸透するか長期的にデータを集める必要がある」と話す。〔共同〕

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