江東区など東京湾岸、2m超の津波 南海トラフ地震
東京都は14日、南海トラフを震源とするマグニチュード(M)9級の巨大地震が起きた場合の都内の被害想定を公表した。台東、江東、大田区などの一部地域で震度6弱に達し、東京湾沿岸部で2メートル超の津波が到来すると想定。島しょ部では津波などで最大で約1800人(国の想定では1500人)の死者が出ると推計した。
被害想定は都防災会議地震部会(部会長・平田直東大地震研究所教授)がまとめた。内閣府が昨年8月に公表した震度分布や津波高のうち被害が最大となるケースを選び、都内の被害想定を詳細に分析した。
内閣府が示した都内の最大震度は5強だった。都は23区や多摩地区、島しょ部の12区市町村の一部地域で震度6弱を観測すると想定した。ただ、範囲は極めて狭く、液状化の危険性が高いとした地域の面積も計9.2平方キロメートルと、島しょを除く地域全体の0.52%にとどまる。
東京湾での最大津波は江東区の2.48メートル。中央、品川区などでも2メートル超の津波を予想する。ただ、東京湾の防潮堤の高さは3.5メートルあり、水門を閉めた場合、河川敷が若干浸水するにとどまると予想。死者などの人的被害はゼロとした。
一方、島しょ部では新島(新島村)で最大30.16メートル、神津島(神津島村)で同28.43メートルの津波を想定。冬の深夜に地震が発生し、10分以内に避難を始められる人の割合が2割の場合、津波による死者は最大1764人に達するとした。