都内の30代男を逮捕へ パソコン遠隔操作事件
パソコンの遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部は10日、東京都江東区の30代の男を威力業務妨害容疑で逮捕する方針を固めた。同日朝、任意同行を求めた。4都府県警が誤認逮捕に至った事件は発覚から約4カ月で重大局面を迎えた。
捜査関係者によると、1月5日に真犯人が報道機関などに宛てたメールの内容に基づき、捜査本部は江の島(神奈川県藤沢市)で猫の首輪に巻いたSDカードを回収した。男性4人の誤認逮捕につながったウイルス「iesys.exe」のプログラムが見つかった。
捜査本部は防犯カメラの映像解析などから、猫に近づく不審な男の姿が防犯カメラに映っていた映像などを基に、30代の男が猫の首輪にSDカードを取り付けたと特定した。
通信記録の捜査などから、男が昨年8月に愛知県の会社の男性のパソコンを遠隔操作し、大量殺人の犯罪予告メールの作成に関与した疑いが強まった。
SDカードを解析した結果、「以前事件に巻き込まれたせいで、無実にもかかわらず人生の大幅な軌道修正をさせられた」との文書ファイルが示されており、捜査本部は犯行の動機につながる可能性もあるとみて慎重に調べる。
事件を巡っては、昨年6~9月、自治体や幼稚園のホームページなどに遠隔操作で襲撃予告のメールが送られ、警視庁や、大阪など4都府県警がパソコン所有者の男性を誤認逮捕した。