楽天が共通ポイント発表 手数料、業界最低水準に
楽天は5日、インターネット通販などで運営する会員向けのポイント制度を、実店舗を構える小売り・外食企業と提携して相互に利用可能な「共通ポイント」に衣替えすると正式に発表した。系列や業態を超えた店舗で使える共通ポイントでは「Tポイント」と「ポンタ」の2強が先行している。楽天は加盟店から受け取る手数料を大幅に抑え、2強を追い上げる。
4月にも発行を始める「Rポイントカード」では手数料を「業界最低水準に抑える」(楽天)。初期投資もPOS(販売時点情報管理)端末がある店舗なら不要。全国で約8100万人の会員を送客できることに加え、コストの低さを訴え、提携先を開拓する。
一般にポイント運営会社が店舗から受け取る手数料は1ポイントあたり0.7~0.8円が平均的とされる。100円の買い物につき1ポイント(1円相当)を付与する場合、店舗側はポイント原資と手数料の合計で1ポイントごとに1.7~1.8円を負担する計算。楽天はこれを1円台半ばに抑える見通し。
会員向けの「楽天スーパーポイント」を外部の実店舗にも開放することでポイント発行額を増やす狙い。現在は年300億円程度にのぼるとみられる。規模を拡大し、使える場所が広がれば、ためたポイントを消化しようとする消費者にさらなる購買を促せるとみる。
日本の小売売上高のうちネット以外の実店舗が依然9割以上を占める点でも、小売りや外食店と連携するメリットは大きいと判断した。割安な配送料などを武器とするアマゾンジャパン(東京・目黒)に対し、守りを固める側面もありそうだ。