タンス預金の在りかも…自分の「他界」はメールで通知
銀行口座などの資産から自身の歴史まで、もしものときに家族へ伝えたいことをエンディングノートに書き留める人は少なくない。昨今では、ネット上でもエンディングサービスが増えている。
ヤフーは2014年7月から「Yahoo!エンディング」を開設し、オンライン上での葬儀や墓の手配サービスなどを提供している。なかでもネットならではの機能といえるのが、利用者の死亡が確認されると送信される「メッセージ」。利用者は最大200人分の個別メッセージをあらかじめ作成できる。別れの言葉だけでなく、遺言状の保管場所など、自分が死んだ後に家族が困らないための指示を伝えるといった使い方も可能だ。
2015年1月には、「ウケツグ」というスマホアプリがリリースされる。こちらにも「メッセージ機能」があり、60秒の動画を指定した人に残すことができる。メーン機能は、銀行口座からタンス預金までさまざまな「資産」の登録。さらに、その情報を自分の死後に伝えたい「継承者」の指定が可能だ。「自分もそうだったが、残された遺族の多くが最初に困るのはお金に関すること。資産を受け継げる機能が必要だと考えた」と、運営するアメイジングライフの篠原豊代表取締役は語る。
どちらのサービスも今後、機能を増やしていく予定だという。ヤフーはクラウド内に預けられたデータから、必要なものだけを家族に残す機能の提供も検討している。ネット上でのエンディングサービスの領域は、今後さらに広がっていきそうだ。
(日経トレンディ編集 羽田健治)
(日経トレンディ 2015年2月号の記事を基に再構成)