スペースX、ロケット初の再着陸成功 打ち上げ費削減へ前進
【ワシントン=川合智之】宇宙ベンチャーの米スペースXは21日夜、ケープ・カナベラル空軍基地(米フロリダ州)からロケット「ファルコン9」で通信衛星を打ち上げ、1段目の機体を再び着陸させることに成功した。実際の衛星打ち上げ時の着陸は初めて。回収した1段目を再利用すれば「将来の打ち上げ費用が100分の1になる」(イーロン・マスク最高経営責任者)とみている。
ロケットは打ち上げから2分半後、約100キロメートル上空で2段目を切り離した後、エンジンを噴射して減速しながら降下。10分後に目標地点に垂直に軟着陸した。1月、4月の打ち上げではいずれも着陸に失敗、炎上していた。
11月には米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏が設立したブルーオリジンが開発中のロケット「ニューシェパード」も再着陸に成功した。ただニューシェパードが高度が低い弾道飛行なのに対し、ファルコン9は高い周回軌道まで打ち上げが可能。今回の方が難易度が高く、実用化に先行した。