司法取引・可視化成立へ 刑訴法改正、与党・民維が修正合意
自民、公明、民主、維新各党は4日、衆院法務委員会の理事懇談会で、刑事訴訟法改正案など刑事司法改革関連法案について修正合意した。同法案は他人の罪を明かせば見返りに刑事処分が軽くなる「司法取引」の新設や、取り調べの録音・録画(可視化)の義務化、捜査機関が通信・通話の内容を調べる「通信傍受」の対象拡大などが柱。修正合意により今国会成立の見通しとなった。
4党は司法取引の導入にあたり、捜査機関と容疑をかけられた人が協議する過程に、弁護士が常時、関与する内容を盛り込むことで合意した。協議の記録を捜査機関が作成することも確認した。
通信傍受では、事後に不服申し立てがあれば記録を閲覧できることを通知するよう規定する。捜査に関与しない警察官が、不適正な傍受を監視する運用でも一致した。
5日の衆院法務委員会で採決。修正合意した4党が賛成する。通信傍受の拡大などに反発する共産党は反対する見通し。
関連法案は5月19日の衆院本会議で審議入り。法務委で70時間近く審議してきた。民主、維新両党は通信傍受の拡大限定などを盛り込んだ共同修正案を発表し、与党側と協議していた。