キヤノン、東芝メディカル買収を発表 6655億円で
キヤノンは17日、東芝の医療機器子会社、東芝メディカルシステムズを買収する契約を結んだと発表した。今月9日に東芝から独占交渉権を得て協議を続け、合意した。買収額は6655億円。キヤノンは東芝メディカルの全株を握り、医療をカメラや複合機に続く主力事業の一角に育てる。
東芝は2016年3月期に過去最大の7100億円の連結最終赤字を計上する見通しで、財務体質の悪化が顕著になっている。16年3月期連結決算に売却益として約5900億円(税引き前損益)を計上する見込み。東芝は会計処理について「慎重に検討している」としている。
東芝によると決済は同日付で完了済み。ただ、キヤノン側が主要国で独占禁止法に基づく承認を得る必要がある。それまでの間は両社から独立した新会社が、東芝メディカルの議決権を保有するという。
キヤノンは東芝メディカルの取得で医療関連事業を強化する。東芝メディカルはコンピューター断層撮影装置(CT)などの画像診断装置の大手で、キヤノンが持つ精密技術と組み合わせて事業拡大を目指す。
東芝メディカルの売却を巡ってはキヤノンに加え、富士フイルムホールディングス、コニカミノルタなどが入札に参加。東芝は今月9日、キヤノンに対し、18日を期限として独占交渉権を与えていた。