マクドナルド最終赤字292億円 1~9月、客離れ取り戻せず
日本マクドナルドホールディングスが11日発表した2015年1~9月期連結決算は、最終損益が292億円の赤字だった。異物混入問題などで落ち込んだ既存店売上高の回復が遅れ、前年同期(75億円の赤字)から赤字幅が拡大した。フランチャイズチェーン(FC)店に対する財務支援費用や不振店舗の減損損失も膨らんだ。
売上高は前年同期比20%減の1375億円。既存店売上高が20%減、客数は14.5%減と低迷したのが主因だ。野菜を多く使った新商品を投入するなどメニューや店舗環境の改善を進めたが、客足を取り戻せなかった。
経常損益は223億円の赤字(前年同期は5億円の赤字)。経営難に陥ったFCオーナーに対してロイヤルティーを減免するなどの支援措置を講じ、その関連費用が100億円強に膨らんだ。
一方、未定としていた15年12月期の期末配当を前期並みの30円にすると発表した。業績低迷で資金流出が続いているが、「再建計画は想定通り進捗しており、財務状態も健全」(増田雄高・財務本部上席部長)という。
ただ、再建の道のりは厳しい。10月の既存店売上高は前年割れとなり、昨年夏の期限切れ鶏肉問題から1年以上が経過しても客離れが続く。今期中に計画する131店の閉店や500店の改装も一部は来期にずれ込む見通し。10月下旬に新メニュー「おてごろマック」を投入するなど販売てこ入れを目指すが、目に見える成果が出ていない。
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